法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』世界のおマヌケさん大集合!全員逮捕だSP

2時間SP。筋肉芸人のなかやまきんに君はおなじみだが、元警官の田中杏樹という女優はまったく知らなかった。どちらかというと警察をテーマにした講演やYOUTUBE活動で有名らしいが。


米国からは警察犬が優秀さを競う番組。どう見ても『SASUKE』のようなステージで、警察犬とパートナーの人間が麻薬を発見して障害物をかきわける。優秀な警察犬でも小型では壁をこえられえられなかったりする。
しかし迷路の中で犬が見つけた麻薬を人間側が気づけるか、人間の誘導が失敗しないかが問題になったり、障害物競争で人間が遅れをとったりと、単身でいどむ『SASUKE』や、人間がすべてを把握して指示をする競馬とは違ったレースの味わいがあって予想以上に面白い。


最初の万引き犯の手法解明につづいて、また英国からは車両追跡班インターセプターを紹介。はげしいカーチェイスで逃走車両を物理的に止める……が、アクション映像としての面白味はあってもドキュメンタリとしての新鮮な視点などは弱い。屋敷の内部でぎっしりマリファナが栽培されている光景などは印象的だったが。


コロンビアからは、麻薬王エスコバル*1の私設動物園から閉鎖後に残され繁殖したカバを管理しようと奮闘する人々を見せる。
私設動物園は市民に無料開放され、政府にたのまれた女性の獣医も幼いころに行って楽しんだという。しかしエスコバルの起こした爆破事件により父を失った被害者でもある。
軍隊がカバを殺したことへの批判が起こり、裁判所が傷つけてはならないという判決を出したため、カバは駆除せず不妊手術をおこなうことに。
しかし囲いの中にエサを入れておびきよせ、麻酔で眠らせたまでは良かったが、子供のカバですら池からひきあげて手術するまで大人数が全力を出さなければならなかった。せっかく眠らせた母カバの手術を今回は断念するほどに。


ノルウェーからはムンクの叫びと、他1点が美術館から強奪された事件のドキュメンタリ。ムンクの叫びは5点あり、2004年に盗まれた1点について紹介する。
ムンクの意思を尊重して美術館にむきだしで飾っていたため簡単に盗まれた世界的な絵画。同時期に銀行強盗があったため警察の手も足りないでいた。
しかし捜査をつづけるにつれ、絵を盗んだ組織が銀行強盗もおこなっていたことがわかっていく。かつてチェスの名手だった頭脳的なボスが、強盗の陽動のためにムンクの絵も盗んだのだ。なるほど陽動のためなら盗難品を売りさばくリスクは存在しない。
しかも強盗時に警官ひとりが殺されていたため、本来はもっと重い刑になると予想されたところを懲役20年ですまされる。どうやら盗難品を人質のようにして司法と取引きしたらしい……
さらにスタジオの追加情報によると、ボスは模範囚として13年で出所して、TVでチェスの解説をおこなって話題になったという。さまざまな事件をおこした匿名掲示板管理人の西村ひろゆき氏が有識者のように活躍している日本も他人事ではないが……


最後は米国から、自動車のセールスマンがひょんなことからおとり捜査をおこなう破目になった事件を紹介。
警官と親しい警察医は、妻の他に愛人がいるという別の顔があった。その愛人が困ったことがあったら手を貸すと語っていたセールスマンに、殺し屋を紹介してほしいとたのんでくる。
どう考えてもどうかしているとしか思えないが、警察に通報したセールスマンに対して証拠を集めるためおとり捜査に協力してほしいと警察はたのむ。捜査に参加した警官は、親しい警察医は無関係で、愛人の単独犯と思ったというが、おとり捜査をくりかえすうちに警察医も当然のように登場。
一度でいいからと依頼されたセールスマンはずるずると最後までおとり捜査をつづけ、警察のしかけたカメラをアドリブでごまかしたりとおおわらわ。かっこうよい活躍として位置づけることも可能そうだが、とにかく気弱なのに殺し屋の仲介役を演じきったキャラクターが面白かった。

*1:2020年にその半生を紹介していた。 hokke-ookami.hatenablog.com