法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

「さっさと不備の訂正上げれば終わっていた件でSLAPPはじめた宗教右翼の廃娼運動」がColaboの評価としてふさわしいとは思えない

もしも支援団体Colaboへの監査で不正が見つからなくても請求が認容されたことが重視されるべきなら、たとえば不起訴処分になった人物でも書類送検されたことを重視すべきだろうね - 法華狼の日記

 なお、すべての監査認容や書類送検について報じる価値がないというなら、それはそれでひとつの立派な姿勢かもしれない。
 しかし現時点での暇な空白氏は、少なくとも伊藤詩織氏とは状況がまったく異なる。そうした周辺情報もあわせて報道されている。
 仮に、同列ではないものを同列であるかのように報じるべきと主張するなら、それはむしろ公平や平等に反する態度だ。

 上記エントリに対して、はてなブックマークで下記のようなコメントがついていた*1
[B! web] もしも支援団体Colaboへの監査で不正が見つからなくても請求が認容されたことが重視されるべきなら、たとえば不起訴処分になった人物でも書類送検されたことを重視すべきだろうね - 法華狼の日記

id:miruna この人がさっさと不備の訂正上げれば終わっていた件でSLAPPはじめた宗教右翼の廃娼運動に未だに肩入れする理由がわからない。まあとっくに暇とか仁藤のいる彼岸に行ってしまっているのだろうけど。

 コメント欄で応答したが気づかれない可能性もあるし、エントリとは異なる主題なので新しく独立したエントリにする意義もあると思い、下記に転載する。
 転載にあたって「です・ます」調を「だ・である」調に変更し、いくつかの表現やリンクも修正や追加した。


 まず、まず「さっさと不備の訂正上げれば終わっていた件」がColaboの東京都への対応のことであれば事実誤認だ。
 2024年1月のエントリで時系列を最低限にまとめたように、監査請求の以前も以後もさまざま攻撃がおこなわれており、その主張がいまだ流布されている。
ヨッピー氏がカンパした時点で暇な空白氏はひとりではなかったし、たとえ一個人だったとしても集団で対応せざるをえない場合はある - 法華狼の日記
 会計不備の訂正は2023年3月には完全に終わっているし、その内容も関係各所に事務負担をかけただけで返金すら発生しないという予想された結果だった。
Colaboが約1300万円の人件費をもちだしていたという情報を見て、人件費を按分していなかったミスの背景を想像する - 法華狼の日記
 逆に、のりこえねっと等に対する暇な空白氏の裁判こそ、主張することを放棄しつつ裁判をやめることもしなかったことから、無駄に負担をかけたSLAPPに近しいものだろう。
暇空茜氏、のりこえねっとを訴えた裁判で敗訴 「不法行為」との主張認めず | 週刊金曜日オンライン

のりこえねっと側の代理人を務めた神原元弁護士は「ふたを開けたら著作権はこちらに。裁判としてはまったく面白くない。ただ、それとは別に弁護士を20年やっている中で体験したことのない裁判だった。原告は訴状1本出して、それ以上の反論がなかった」「著作権があるという証拠を見たら、参りましたと。常識ではちょっと考えられない裁判」と話した。

 そもそも「暇」が彼岸に行ってしまっているという評価と、「さっさと不備の訂正上げれば終わっていた」という認識が両立できるのが不思議だ。
 暇な空白氏はColabo以外にも攻撃の対象を広げつづけ、それゆえ複数の反撃をされはじめているのが現実だ。Colaboが不備の訂正をあげればすべての攻撃がなくなったと思える根拠などあるだろうか?


 また、私自身は性産業について仁藤氏と見解があわないところがあるとは思っている。
 しかし裁判において下記のような被害があったことが証言されている。Colaboの被害は無視するとしても、これが事実であれば当事者へのフォローは必要だろう。
「Colabo」vs.「暇空茜」訴訟、仁藤夢乃氏への本人尋問 ブログ投稿の指摘に逐一反論 | 週刊金曜日オンライン

妊娠した少女と長い時間をかけて信頼関係を築いて病院に行く了解を得たものの、Colaboに関するデマを信じた友人から「怖いところだから行っちゃだめ」と引き留められた結果、中絶の選択肢を失ったという例が紹介された。仁藤氏は「1日でも早く出会えるかどうかでその子の人生が変わってしまう」と深刻な影響が出ていることを明かした。

ColaboのシェルターについてSNS上で「いいところだった」という趣旨の投稿をした少女が、被告のデマを信じた人たちによって友人関係や学校をさらされた例も報告された。シェルターの位置を特定する情報が流れ、閉鎖に追い込まれることもあったそうだ。

 もともと監査請求にかぎっても、生活保護の多大な補足漏れよりも極めて比率のちいさな不正受給を問題視するような行為だった。形式的に行政が批判の対象であっても、セックスワーカーをふくむ支援対象者こそが致命的な実害をこうむる可能性は予測できた。
 一時期は第三者からColaboの不正の証言者と期待されていた人物の証言からも、Colaboが活動の現場においてセックスワークの当事者を否定しなかったことがうかがえる。
浅野文直氏、sioさんに告発された件を動画で弁解。sioさんはスペースを開くもカオスな状態に - Togetter


sio「仁藤さんには助けてもらって感謝している」
sio「浅野はゴミ議員。死にたい」
暇アノン「元凶の仁藤に制裁を」

ここまで現実を捻じ曲げて解釈できるのが暇アノン。

 上記の各証言は信用できないというなら、監査請求される以前に問題視された無料ピル事業はセックスワーカー向けの法律相談団体も参加していたことは、報道や公開情報だけで確認できた。
仁藤夢乃氏の支援団体Colaboの検証をしたいのであれば、無料ピル事業についても一般的な支援事業との比較は必要 - 法華狼の日記

Colaboと特定のむすびつきがある事業ではない。報道後の今年6月からは、風俗従事者向け支援団体の風テラスも無料ピル事業に協力している。
【6月の活動報告】宋美玄先生と無料ピル提供を開始! 夜の世界で孤立・困窮している女性たちに、必要な支援を届けたい(風テラス 2022/07/08 投稿) - 継続寄付 READYFOR

 コンドーム配布なども、性行為そのものを外形的にやめさせようとする宗教右翼とは一線を画している。むしろColaboが売春支援しているかのような揶揄が暇な空白氏らによっておこなわれ、今でも散発的に見かける。
売春に必要なので、支援者はコンドームを配布している。 - Togetter
「さっさと不備の訂正上げれば終わっていた件でSLAPPはじめた宗教右翼の廃娼運動」という表現は、むしろ暇な空白氏やその同調者にこそ当てはまるところが多いとすら思える。


 仮にColaboが廃娼を最終目的としていたとしても、現時点の実務においてセックスワーカーを守る活動をしていることや、Colaboへの攻撃をおこなっている人々こそがセックスワークの危険度をあげていることまでは認めなければなるまい。
 もちろん、これはセックスワーカーを守りたいならColaboを批判してはならないという意味ではない。しかし暇な空白氏や仁藤夢乃氏が彼岸にいるとしても同列にあつかうことは私にはとてもできない。

*1:id:Midas氏がはてなスターをつけているところが少し珍しいと思った。