法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ひろがるスカイ!プリキュア』第41話 ましろと紋田の秋物語

 涼しいため色々なことに挑戦できる季節、秋。虹ヶ丘ましろは絵本コンテストのための新たな作品をつくろうと悩んでいた。一方、敵幹部バッタモンダーは紋田という人間の姿でキッチンカーのアルバイトにはげんでいた。そして公園のベンチでスケッチをする虹ヶ丘と、休憩している紋田が再会したが……


 コメディタッチの傑作回だった第34話と同じ成田良美脚本で、虹ヶ丘と紋田のドラマのつづきが描かれる……が、今回は描写の細部に疑問点が多く、リアリティのなさをギャグでごまかすテクニックもうまくつかえてなくて、感心できなかった。
 なんといっても、森の中を歩いていて偶然にバッタモンダーを見かけるスキアヘッドが意味不明。何かの目的をもって歩いていたようには見えないし、目的もなく敵地を歩くようなキャラクターでもない。むしろ突然あらわれたほうがバッタモンダーを懲罰するため探していたのだと視聴者側で想像できたのではないだろうか。
 スキアヘッドが役立たずなバッタモンダーを責めて虹ヶ丘が介入する流れも、紋田の正体がバレないことに説得力がない。意図せずバレない結果として会話に齟齬が生まれて笑えるわけでも、バッタモンダーが正体がバレないよう工夫しているわけでもない。
 作品そのものの問題とは少し違うが、現在の気候変動のせいで冒頭の日常会話に説得力がなかったことも痛い。快適な涼しさを感じられる季節が存在することを、現在の日本でどれだけの人間が実感できるだろうか。特に番組が想定している幼い視聴者には。