法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

参加させたいアニメーターを「宮﨑家は長寿の家系ではなく、80歳の壁を超えた人はいない」「最後の作品になるかも知れない」と説得した宮崎駿、当時は75歳で現在は82歳

 冒頭だけWEB公開された『文藝春秋』の本田雄インタビューを読んで、しみじみ無茶苦茶なアニメ作家だと思った。
《ジブリ“大型移籍”の真相》『君たちはどう生きるか』作画監督が初めて明かした宮﨑駿との制作現場 | 文春オンライン

宮﨑駿監督から2016年の夏に打診があったことを本田氏は明かしている。

宮﨑さんは『僕にはもう時間が無いんです』と追い討ちをかけてくる。そのとき宮﨑さんは75歳だったんですが、『宮﨑家は長寿の家系ではなく、80歳の壁を超えた人はいないんです』と。お父さんは79歳で亡くなっていて、お兄さんは77歳で他界された。『僕にとっては最後の作品になるかも知れない』と言う。ずるいですよ、宮﨑駿にそう言われて断ることができるアニメーターはいない(笑)

 誕生日の関係で多少ずれるとしても、この記事を読むだけで少なくとも今は80歳の壁をこえていることが誰にでもわかる。
 実際、『君たちはどう生きるか』は宮崎駿監督が絵コンテに専念して作画には基本的に手を入れなかったらしく、作画監督として本田雄は最高の仕事ができたと思える作品ではあったが……
『君たちはどう生きるか』 - 法華狼の日記

ハウルの動く城』以降、描線が太く溶けていった宮崎駿作品には良くも悪くも年齢を感じていた。しかし本田雄が単独作画監督として入った今作は、キャラクターの全身が連動して動いて肉体の上を衣服がはためきながら、骨格が崩れずシャープな印象をたもっている。