法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』世界の境目SP

「イギリス空港税関」は通常シリーズだが、今回のテーマにもあっている。内容は麻薬やタバコの密輸など、特に目を引くところはなかったが。


「ゲットーからウガンダ議会へ:ボビ・ワインの挑戦」は、スラム街出身の人気ミュージシャンが政界へ進出した挑戦と、それに対する妨害を紹介。
 ムセベニ政権は、かつて内戦を終わらせ国家を発展させながら独裁による腐敗が悪化している。投票を官憲が監視して、与党に有利な票へすりかえることまでやっているという。
 スラム街から大学にまで進んだボビ・ワインは政治批判の音楽をつづけ、ついに2017年に議会に出馬。官憲の監視のなか、圧倒的な得票で当選したが、扇動罪でくりかえし逮捕されることに。
 ムセベニ大統領は憲法にさだめた年齢制限を撤廃し、終生大統領でありつづけることを可能にする法案を可決。対抗してボビは2021年に大統領選に出馬したが、当選はかなわなかった……
 ボビの最後の描写は、独裁者が若いころは不正をゆるさなかったように、私もそうありたいという演説だった。スタジオで北野武も、独裁者の多くが同じように若いころは不正をゆるさず、しかし政権が長期化するにつれて周囲が都合のいいことしかいわなくなるとコメントしていた。


「私有地の保護区に自然を取り戻す」は、アルゼンチン北部の湿地エステロス・デル・イベラを購入して、乱獲などでうしなわれた生態系を復活させようとする夫婦の挑戦を紹介。
 草食動物を増やしすぎると植物が減ってしまうので、バランスをとるようにジャガーを繁殖して自然に返したりと、広大な荒野を数十年かけて国立公園になるまで復活させた努力は印象的。
 しかし26年前にはじまったプロジェクトで外来生物問題の知見がなかったのかもしれないが、まったく異なる地域から動物をうつして定着させるのは良いのだろうか。事実としてアルゼンチンは野生動物をうつすことが法律で禁止されており、夫妻は動物園や外国から動物を入手して野生化させる必要があったと描かれていた。