342人の市民から懲戒請求がされるという報道があった。
http://www.asahi.com/national/update/1218/OSK200712170112.html
橋下氏の懲戒処分 市民342人、大阪弁護士会に請求
2007年12月18日07時05分
大阪府知事選に立候補を表明した橋下徹(はしもと・とおる)弁護士(38)が5月、山口県光市で起きた母子殺害事件の被告弁護団の懲戒請求をテレビ番組で呼びかけたのは「刑事弁護の正当性をおとしめる行為だ」として、12都府県の市民342人が17日、橋下氏の懲戒処分を所属先の大阪弁護士会に請求した。関係者によると、賛同する市民らが9月以降、知人に声をかけるなどして広がったという。
橋下氏は17日、芸能事務所を通じて「市民の自主的な判断により、私の行動が弁護士としての品位を欠くと評価されたなら、弁護士会の判断に任せます。特定の集団が懲戒請求したならば、政治活動への重大な挑戦で悪質だ」とコメントした。
連名で一件の懲戒請求を行ったか、それとも各人が別個の内容で請求したかは今知る限り不明。
ちなみに弁護団への懲戒請求件数は最終的に7500超となっていたが、22人の頭数で割ると一人あたりでほぼ同数だ。しかも懲戒請求の大半はテンプレートを使って、一人で各弁護士へ何通も出している。弁護団へ懲戒請求を行った人数と、橋下弁護士へ懲戒請求を出す人数は、ほぼ同じというわけだ。
懲戒請求に対する橋下弁護士のコメントは各紙で微妙に異なっている。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071217/crm0712172224025-n1.htm
懲戒請求に対し橋下氏は「特定の弁護士が主導して府知事選への出馬を表明した時期に懲戒請求したのなら、私の政治活動に対する重大な挑戦であり、刑事弁護人の正義のみを絶対視する狂信的な行為」とコメントした。
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20071217-296756.html
橋下氏は「特定の人が、特定の一般市民に働き掛けて懲戒請求したのなら、現在の政治活動に対する重大な挑戦で、悪質極まりない」とのコメントを出した。
芸能事務所からコメントを出したことを伝えているのは朝日のみ。芸能事務所を通じてということは文書でだと思うのだが、内容要約だけでこうも変化することには驚く。
橋下弁護士自身が扇動したときは根拠もなく個々の考えで請求したと主張したのに、いざ自分がされると扇動された仮定で批難するのにはあきれる*1。これまでの言動を思えば意外ではないが。
そして府知事選に出馬したら懲戒請求されないとでも思っていたのだとすれば、政治家への転身が懲戒請求騒動からの逃走という憶測も部分的に正解だったということか。
むしろ事前情報がほとんどなかった出馬を狙って懲戒請求運動を起こすこと自体が難しいと思う。政治活動への影響を嫌って弁護士会が懲戒をしない可能性もなくはないだろうし、一週間くらいで342人も集めたというのは陰謀論ではないか。