法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

山崎貴監督の最新作『ゴジラ-1.0』の特報が公開

 敗戦直後の日本がさらなる脅威にさらされる光景はなかなかインパクトがある。

www.youtube.com

 ゴジラが踏みしめた地面が凹み、その周囲がもちあがる19秒くらいのカットが特に良い。


 特報の段階では廃墟などにゲームっぽい粗い質感があるものの、この時代設定ならば監督が手がけてきた過去の作品データを活用して予算以上の映像を見せてくれそう。
 都市部で高層ビル群に埋もれないため巨大化しすぎて実感を失いがちだった1990年代以降のゴジラに対して、初代のように実感しやすくも巨大さを表現しやすいサイズで描けるメリットもあるだろう。


 しかし日本へ原爆投下がおこなわれつつも米国しかまだ原爆開発に成功していない時代、どのような経緯でゴジラが誕生することになるのか。
 ひょっとしてNHKドラマ『太陽の子』などで物語化されたような、日本国内における核兵器開発の影響でゴジラが登場したという設定なのだろうか。
hokke-ookami.hatenablog.com
 それとも逆に核兵器放射線とはまったく関係ない、ただの恐るべき巨大生物としてのゴジラを描くための設定だろうか。


 あと、はてなブックマーク等の反応を見ていて、山崎作品にVFX以外は期待しづらいことは同意できるが、よく言及される前例が『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』なことがよくわからない。
b.hatena.ne.jp
 たしかに総監督と脚本を担当しているが、八木竜一や花房真が共同監督についていて単独作品ではないし、そもそも持ち込み企画に対してゲームの映画化は難しいと断りつづけたことも明かされている。
 ただ山崎作品を複数見ていると、たとえば『鎌倉ものがたり』が『千と千尋の神隠し』を思わせる描写が多いように*1、原作とは異なる作品をパッチワークしがちな作風は一貫して感じられる。
 ならば今度の『ゴジラ-1.0』もまた、何か別の作品を仮託した映画になるのかもしれない。もともと『ゴジラ』は玉石混交なシリーズなので、それくらいの態度で望んだほうが良作になりそうな気もする。