エルを両親のもとへおくりとどけたソラ・ハレワタールは、ほうびとして青の護衛隊の見習いにさせてもらった。反発する隊員ベリィベリーに勝利したハレワタールは、強さと正しさは違うと批判するが……
ベリィベリーとの決闘試合はワンアクションごとにカットを割って、あまり映像として面白味を感じなかったが、新たな敵バッタモンダーにあわせて展開されたプリキュアアクションは見ごたえがあった。かまえをとった姿はパースのきいた広角レイアウトで止め絵でも迫力があり、フォルム重視で動く怪物ランボーグは田中宏紀フォロワーのような作画。
絵コンテは今作初参加の佐藤照雄で、演出は飛田剛。レイアウトやカット割りはコンテ演出段階の指示だろうが、アクション作画はよくわからない。三人いる作画監督や原画もふくめ、今回のようなレイアウトや作画スタイルを選びそうな印象のあるスタッフがいないが、誰の仕事だろうか。名前がわかる範囲で考えるなら、森田岳士かもしれない。最初のテロップの終盤にクレジットされているし、佐藤照雄の監督作品『アイカツスターズ!』に参加していたつながりもある。
脚本は金月龍之介シリーズ構成。強さと正しさは違うものという主人公らしい主張を、主人公の憧れの人物が強さをもとめる心情も理解するようにさとすことで、主人公がより考えを深めようとするドラマとなる。
ヒーローテーマの作品なら踏まえておくべきことだろうし、青の護衛隊や敵の強さをめぐる価値観の違いが対比的に描かれることでキャラクターの個性がうかびあがってくる。
地球の虹ヶ丘祖母や聖あげは真意がわかりづらいキャラクターだったので、ドラマがちいさく動きがすくなかった。スカイランドの異世界描写は薄いが、きちんとキャラクターが考えを説明したり激情をぶつけてくるので、今のところドラマは楽しい。