法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『キミとアイドルプリキュア♪』第33話 どすこ~い!アイドルデビュー!?

 アイドルプリキュアによせられたファンレターをカッティーがしわけしたところ、くりきゅうた力士からのものがあった。横綱になりたいと書いていたくりきゅうたを応援する咲良たちだが、実際に会ってみるとくりきゅうたは力士を辞めてアイドルになりたいという……


 山田由香脚本、横内一樹演出で、第1話*1で作品全体にシュールな印象をもたらして第20話*2で再登場した力士が再々登場する。
 予告で予想したよりはシリアスなドラマで、ケガでライバルに差をつけられ挫折感をおぼえた力士が、アイドルと同じようにファンに応援されて再起していく。
「くりきゅうた」と「プリキュア」を聞き間違える無理をネタにしたり、移動途中で誤解に気づいて異世界は見ていないことを今さら説明したりしたところは笑えたが、力士を辞めようとする本筋に入るとコメディチックな行動も思いつめた痛々しさを感じさせる。それゆえ力士が歌うシュールな光景を咲良たちが応援する姿もシリアスな雰囲気をそこなわず、優しさと真面目さが感じられた。
 しかし日常も戦闘も作画で目を引くカットはいくつかあったが、格闘の専門家が怪物化したわりには普段と強さが違う印象がない。力士ではなくファンの少年が怪物化させられて、そこで力士がアイドルプリキュアのように状況にあらがう展開のほうがストーリー構成としてきれいだったかもしれない。