法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『怨み屋本舗』の作者による、女性になりすまして男尊女卑批判する男性という一コマ漫画に、おそらく意図せぬ批評性が生まれていた

 男性漫画家の栗原正尚氏が代表作の女性主人公をアイコンにしてツイートをする、そのこと自体が批評的だ。


インターネットあるある

 描かれているキャラクターは、いわゆる弱者男性の記号をもっている。弱者男性も間接的に男尊女卑社会の犠牲者になりがちで、怒ったという親が家父長制を体現する父親などであれば、男尊女卑批判する動機は充分ある。
 私生活への不満を社会にぶつけることは、それ自体は必ずしも悪いことではない。そうでなければ、支援団体Colaboへ負担をかけることが目的であって監査請求は手段にすぎなかった攻撃*1は、違う動機をもつこと自体が揶揄されるべきこととなる。
 栗原氏は若年女性の支援団体Colaboを揶揄したという理由で商業作品を批判されていたので、おそらく深く考えず反発しただけだとは思うが。


 ただし、たしかにプロフィールを偽ったSNS投稿はさまざまな立場で見られるが、男尊女卑を批判するためだけに女性になりすます事例は「あるある」と呼べるほど多いとは思えない。
 差別批判は差別者側からのほうが客観性をよそおいやすい。誤解をおそれずいえば、下心をもって女性へ媚びる意図がある場合も、理解ある男性を演じたほうが効果的だろう。社会批判への反発も一般的に女性が標的になりやすく、うさばらしなのにストレスがかかる方向に偽る意味も考えづらい。
 あえて反発させるような主張をして混乱を楽しむ愉快犯なら女性になりすますこともあるが、それもふくめて一般的に男尊女卑を推進したい男性こそ女性になりすます動機が強いのではないだろうか。実例として「星空サラ」というアカウントが一部で知られている*2


 さらに、支援団体Colaboと代表の仁藤夢乃氏を過去から攻撃しつづけていたエコーニュース*3を運営する江藤貴紀氏も、ツイッターで「音無ほむら」という女性キャラクターを演じており、最近に妻に逃げられたらしいことを明かしていた。


差し替えた

まあ、家をいきなり出て4日後に弁護士から内容証明はひどい

弁護士事務所の選び方だけ適当だけど


ええええ、訳がわからないんだけど!

仁藤夢乃と太田啓子が揃いも揃ってなんで、「共同親権」とやらの話に出てくるわけ?

で、なんでうちがいま子供を連れ去られてるわけ?

 困難な立場におかれた女性を支援する団体を攻撃していた男性の顛末として、江藤氏の現状は驚くほど平仄があう。平仄をあわせるんじゃない。
 もちろん現在に一方が主観的に語る情報だけで家族関係について即断することはできない。しかし共同親権をもとめて陰謀論にはまっても、関係者の誰もが不幸になる未来しか見えない。

*1:こちらのエントリで動機を語るツイートを保存している。hokke-ookami.hatenablog.com

*2:togetter.com

*3:数年前に注目したアノニマスポストが仁藤氏を攻撃するツイートのきっかけは、エコーニュースのツイートだった。 hokke-ookami.hatenablog.comブログ移転やアノニマスストアカウントの凍結などのため引用したツイートは消えているが、エコーニュースのツイートは残っていた。