アノニマスポストと仁藤夢乃氏の奇妙な因縁

アノニマスポストという後発のバイラルサイトがある。女子中高生支援者の仁藤夢乃氏を反日左翼活動家と呼ぶような、典型的な保守系だ。

しかし保守派としても主張が荒く、最近では沖縄県知事の翁長雄志氏を誹謗中傷して、批判をあびて削除するにいたった。
まとめサイト、がん治療中の翁長知事を中傷し炎上　記事は削除

これまでは運営元を隠しているため訴訟も難しいと思われたが、数日前から匿名掲示板で公開情報を集める動きが始まっている*1。
【嫌儲独自スクープ】アノニマスポストの運営元が判明！！！ [211536216]
まず、広告配信サービスのアドセンスIDが同一のサイトということから、複数の競馬予想サイトやパチスロサイト、フィリピン情報サイトも同じ運営と推測された。
ただし違うサイトも運営していることまでは以前にも何人かが指摘していた。各サイトの身元を照会できるwhois検索では、ほとんど代理人で隠している。
しかし今回のスレッドを立てた「>>1」は、ひとつのサイトに痕跡を発見した。運営者名と一致するgoogle+や、運営住所のgoogle ストリートビューで、同じ会社名まで確認された。
もちろん同姓同名などの可能性はあり、スレッド内でも偶然の一致に留意をうながす意見がくりかえされている。

それでも、かなり手広く活動していることから、痕跡が他にも残っていることが予測された。
そして「>>758」が、アノニマスポストのツイッターにある体験談と、同じ内容を語ったブログがあることを指摘した。ブログ主名が、アノニマスポスト運営の競馬予想サイトの管理者名の痕跡に残っているともいう。
この時はブログの名前やアドレスを出さなかったためか、スレッドの勢いで流されてしまった。しかし次のスレッドになって、新たに「>>6」がツイッターの注目ワード「フィリピン」「俺」を指摘した。
https://leia.5ch.net/test/read.cgi/poverty/1530376252/
ここからスレッドで追試がはじまり、アノニマスポスト運営者の素性に肉迫していく。すぐ読める範囲に情報がつまっているので、匿名掲示板の雰囲気が理解できるなら、実際にスレッドを読むのがいい。

ここで私としては、可読性よりも記録を優先してまとめておこう。ここで仁藤氏との因縁が出てくる。
まだアノニマスポストの影響力がなく、運営者自身の発言が多かった2015年ごろのツイッターで、フィリピンで講演した仁藤氏を批判する連続ツイートがある。

別のバイラルサイトのツイートを引いてはじまっているが、そのエコーニュースのツイートは5リツイート2いいねしか獲得しておらず、運営者の個人的な興味関心が大きいことをうかがわせる。
このツイートはさらに連続していき、やがて運営者自身の体験談がはじまる。かなり独自性が高く、いくつもの固有名詞が登場する。ここから運営者の正体もうかがえる。

そこで「尚子さんフィリピンマリガヤハウス」で検索してみると、2005年ごろに活動していたフィリピン芸能人招聘業者ブログ「Come on! Masaya!」が引っかかる*2。
Come on! Masaya!:マリガヤハウス - livedoor Blog（ブログ）

ケソンシティで今日はいろいろミーティングがあるんですが、その前にマリガヤハウスへお土産を持って行きます。

『クリスマスパーティーはされるんですか？』
『予算がなくてできそうもないんです。つい先日、相談に来たフィリピン女性に80000ペソ盗まれたんです』
『あらま！オレも昨夜ホテルで20万円盗まれたんです』
55の持ち帰りババエに盗まれたことは内緒にしておきましたが…
（笑）

ブログのコメント欄を見ると「加門雅也」がブログ主の名前とわかり、検索するとアノニマスポスト関連と同じ画像のgoogle+や、Facebookまで見つかる。その両方に顔写真まで掲載されている。

ここからさらに匿名掲示板では探索がつづいているわけだが、ここまで明らかになった情報でアノニマスポスト運営者の問題は明らかだろう。
芸能人招聘業者と称しているが、これは興行資格で外国人女性を入国させるプロモーターのことで、人身取引きや性風俗産業に近しい仕事だ。2006年の法改正によって規制されるほどに。
社会リポート/人身売買、売春強要…/外国人パブの女性「助けて」/「興行」業界自民と関係
 アノニマスポスト関連サイトがドメイン登録されている兵庫県丹波市にも、フィリピンから呼びよせられた女性が多数おり、社会的な立場の弱い彼らを支援するためのNPOもたちあげられている。
外国人支援団体「ＳＯＳ丹波」発足篠山市魚屋町に事務所兼カフェ開設 | 丹波新聞
ここでアノニマスポストに批判された仁藤氏のブログの記述を読み返してみよう。日本人とフィリピン人の子供JFCに対して、日本で置かれた状況を注意する発言がつづく。
【フィリピンで現状報告】JFCの母たちと。 | 女子高生サポートセンターColabo代表仁藤夢乃の『コラボトーク』

月9万円ほどの仕事(日本にフィリピン人やJFCを派遣する悪質な業者は、そのくらいの収入の仕事を紹介するそうです。いざ日本に来るともっと悪い条件の仕事をさせたり、借金を背負わせてパスポートを奪って働かせたりする)では、母子ともに生活は難しく、子どもが教育を受けられなかったり危険な仕事をやらざるを得なくなることもあること。

JKビジネスや性搾取の現場には、JFCもいること。関わっているJFCの女の子のケースについて。定時制高校などでもJFCとよく出会うけれど、字が書けない、いじめられる、貧困状態にあり生活が苦しい(けれど日本語が苦手でバイトの面接に十数個落ちるなどした子どもがいる)こと。
JKビジネスや性搾取への業者はそういう子どもたちを狙い、声かけをしていること。

もちろんJFCの子供が日本人の親に会いたいという気持ちも紹介しているし、日本に来ることを批判したりもしていない。日本向けに問題を注意喚起する文脈で語っている。

フィリピン人女性が妊娠・出産した後、相手の日本人男性の行方がわからなくなるケースが多くあります。父親がわからず、日本国籍も取得できないまま、お父さんに会いたいと願うJFCが何万人もいます。

つまり仁藤氏が批判していたのは、甘い言葉でフィリピン人の女性を日本へ連れてくる業者であり、運営者の前歴そのものだ。どうりでアノニマスと自称しながら過敏に反応したわけだ。
保守派らしく従軍慰安婦問題で日本の責任を否定する記事が多数あることも、外国人女性を風俗産業に呼びよせる招聘業者の主張と思えば一貫性はある。唾棄すべき一貫性だが。

匿名掲示板のスレッドでも、招聘業者という前歴は衝撃をもって受けとられ、むしろアノニマスポスト自身が日本の恥をふりまいていたと指摘されている。

こうして探索された運営者情報について、アノニマスポスト側は別人と説明。しかしそこで致命的な発言を重ねて、新たなスレッドの話題となっている。
【悲報】アノニマスポストさん「私はフィリピンで運営している。特定された住所にいるのはダーティーな仕事の仲間」 [697536759]

サーバーの移転や過去記事削除などで消してしまったのだが、アノニマスポストはフィリピンで運営している。
だから兵庫県の某所で話題になっている事務所とアノニマスポストとは関係ない。
「全く関係ない」とまでは言わない。少しは関係がある。
というのは、兵庫県の某所の事務所を借りている名義の人間は、俺がダーティーな仕事をしていた頃の仕事仲間の一人だからだ。

コピペ情報で誹謗中傷を拡散している現在も充分にダーティーなわけだが、外国居住の日本人設定で在日外国人を攻撃していたと思えば醜悪にもほどがある。

また、外国に居住しながら扇動的なサイトを運営して広告収入を稼ぐ業態は、外国からのフェイクニュース運営やソーシャルメディア操作を連想させる。
フェイクニュースが民主主義を壊す　Facebookが助長したその実態