法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第13話 大地からの使者

 ミオリネが不在のなか、決闘の連戦をやりすごすスレッタたち。少し前の襲撃事件は情報が隠蔽され、さまざまなことを見聞きした人々も口を閉ざしていた。そのようなアスティカシア学園に、転入生がやってきてスレッタにまとわりつく……


 さまざまな子供の挑戦や大人の策謀が徹底的に破綻した1期最終話*1からそのままつづいているが、予想よりも穏当なたちあがり。しかし、つまるところ状況を変化させるこころみが破綻したわけなので、特に変化らしい変化がないことに不思議はない。身近な人物の衝撃的な姿を見たキャラクターも他人に吹聴するような性格ではないので爆発しない。
 あくまで娯楽としてガンダムを見る一般的な生徒視点でライトに導入して、兵器としてのガンダムを知る人々が水をかけ、医療目的というガンダムの理想を信じる主人公たちが対峙する……一応そういう葛藤にいきつくドラマになっているのだが、その理想は親の建前にすぎないものをスレッタが頭から信じているだけで、その建前を疑っているミオリネはひとり別の場所にいる。その建前と真意の葛藤が、今回の理想と現実の葛藤とは別個に、今後どのように転ぶかわからない緊張感を生んでいる。
 あまりメカ描写が多くなかった1期を埋めるように冒頭で連戦し、終盤も人間を巨大ロボットが踏みつぶそうとする描写が入って、ロボットアニメとして映像は充実していた。ただ、改修されたエアリアルがかなり線が簡素になったのは、やはり1期のデザインは手描きで動かしにくかったのだろうか……