法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ひろがるスカイ!プリキュア』第10話 むむむ!思い出の料理ってどんな味!?

 ツバサがプリキュアへ変身できるようになった歓迎会のため、ツバサの好物「ヤーキターイ」をつくることに。それは鯛焼きそっくりの料理だったが、本来はスカイランドの食材をつかうため、試作しても餡の味が違ってしまう……


 おそらく東映初参加の加藤還一脚本に、旧サンライズBN Picturesが制作協力で多数の作画監督のひとりとして久行宏和が入っていたり、作品フォーマットにそいつつも少し違う雰囲気がある。特にプリキュアとしてのアクションがテンポ良く、作画もシャープなところが目を引いた。良い意味で東映らしくない。
 しかしドラマの力点は自分の存在意義に悩む虹ヶ丘の日常にあり、異文化の料理を再現しようと奮闘する努力そのものが他者への優しさとして肯定される。餡の種類だけ変える試行錯誤は単純だが、幼い視聴者でも真似をできる範囲では適度に歯ごたえありそうだ。
 敵の攻撃は料理技術で虹ヶ丘が存在意義をしめすことの障害であり、プリキュアに変身しての反撃は敵への反発をとおして虹ヶ丘の存在意義を台詞にするためのきっかけにすぎない。敵の存在が日常に動きをもたらす意味しかないことは、CM入り直前に唐突に登場したカバトンがCM開けから無視され邪見にされる描写で明確化されている。エピソードごとのドラマにあわせて敵が戦いをいどんでくるわけではなく、あくまでドラマそのものは日常パートで終始するところがシリーズ初代のようだ。