法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ひろがるスカイ!プリキュア』第4話 わたしもヒーローガール!キュアプリズム登場!!

聖まどかという女性が虹ヶ丘家にやってきて、扉を開けたソラ・ハレワタールに抱きつく。ひさしぶりで確認もしなかったため、おさななじみの虹ヶ丘ましろとかんちがいしたのだ。
聖は保育士になるため専門教育が充実しているソラシド市へ帰ってきたのだという。自分だけ目標をもたないことに虹ヶ丘がなやんでいると、目の前を子豚が歩いていた……


脚本が金月龍之介シリーズ構成にもどり、コンテは小川孝治で*1作画監督は増田誠治。キュアプリズムの変身バンクはあまり枚数をつかわず、変顔の多い本編ドラマとあわせるように目を細めたりした微妙な表情で独特の印象をつくっている。
変身能力をうばわれてもハレワタールがそこそこ戦えて、拘束されて人質のようになっても切迫感があまりないところが安心できる。アクションアニメとしてはもっと危機感をあおってほしい気持ちもあるが、今回は迷っている少女が行動を選ぶきっかけとして敵の攻撃と騎士の拘束がある。虹ヶ丘ひとりだけが状況を理解して動ける立場になることは必要だったが、それ以上に選択肢をせばめる切迫感は必要ない。
そして虹ヶ丘がキュアプリズムに変身してハレワタールを対等な立場になれば選択のドラマは終わり、キュアスカイの戦闘は浄化するための必殺技一閃で充分というわけだ。


話のノリは1話や2話にもどった。この世界では何が常識で隠すべき情報は何かを感覚で理解できていないハレワタールと、フォローしようと奮闘しても空回りする虹ヶ丘のボケツッコミが定番で楽しい。敵カバトンのレトロすぎる罠を「昭和」と虹ヶ丘が評したり、ちょっと高めの年齢向けのメタな視点がある。
もちろんその精神年齢の高い雰囲気は、確信的に夢へ飛んでいくハレワタールと、地に足をつけて夢にたどりつこうとしている聖のはざまで、大人びながらもあくまで子供な虹ヶ丘が悩むドラマのためでもある。
また戦闘でも、巨大な怪物から逃げるため建物に隠れると建物に入れるサイズの怪物を生みだしたり、虹ヶ丘たちが建物の屋上に逃げて敵とにらみあったり、特殊フィールドで戦った前作から一転してシリーズでも珍しい建物を地形として活用する展開が多かった。
こうして見ていくと、いくら物語としての連続性をアピールしているとはいえ、やはり第3話*2は異質すぎた。異世界人の驚きに説得力を出すため現実世界はシリーズの通例よりリアリティを高めに表現してほしい。せめて今回のように虹ヶ丘をツッコミ役としてつかいたおして、作品世界の一般的な現実感を線引きするべきだった。

*1:なぜか公式サイトに記載がない。 www.toei-anim.co.jp

*2:hokke-ookami.hatenablog.com