法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』祝!まる見え32周年  春のお笑い怪獣祭り! ミステリークイズ3時間SP

明石家さんまをゲストにむかえた、恒例の3時間SP。本編はSPでよくあるクイズ形式の拡大版。
しかし番組終盤にビートたけしの似顔絵を紹介するパートが長すぎる。あくまで芸能人の手すさびに見えたし、賞賛する所ジョージ明石家さんまもお追従にしか見えなかった。かつてテレビ東京系列でビートたけしが芸術家を発掘する冠番組をもっていたことも記憶にあるが、そうした経験の厚みを作品やコメントから感じることもできなかった。


最初のクイズは、住宅街に落ちてきた意外なものというよくあるネタ。魚類や両生類などがスタジオで回答されたが、正解は鳥という一周まわった意外性。
他にもバッキンガム宮殿に酩酊して忍びこんだ男が珍しい経験をしたというクイズは、寝室の女王に出会って世間話をしただけ。バラシュートが開かなかったりガス栓が開いていた事故に見せかけた殺人が無罪になったのは、まだ愛していた被害者が証言をひるがえしただけ。どちらも正解こそしなかったが、的中させたゲストはいた。
爆発したヒキガエルの謎も、体にあいていた穴はカラスが肝臓をついばんでいただけ。カエルが威嚇のため体をふくらませたせいで他の内臓も体外に飛び出たという部分は良かったものの、やはり今回のクイズは意外性が少ない。


モーガンフリーマンが解説役をつとめる犯罪番組を紹介。今回は1983年の北アイルランドで起きたIRAの大量脱獄事件が描かれる。
奉仕活動などを熱心におこなって信用させ、警備システムの隙を見つけ、偽物の拳銃をつくって脅して脱獄。トラックが時間どおりに来ていないトラブルなどがあり、出口にまで走る必要などはあったが、それでも短期的な脱獄に成功した。
クイズは刑務所の外とどのように連絡をとったかというもの。きちんと見ていればヒントがあると冒頭でナレーションが宣言していたが、たしかに録画を見返すと刑務所がタバコを買えるくらい自由度が高いという一連の説明のなかで1カット映っていた。その、恋人とキスをするふりをしてメモをマウストゥマウスでやりとりするという真相は、トリックとして理解しやすくもひねりが効いているし、映画などにつかえば絵にもなりそう。
その脱獄犯が顔出しで番組に登場しているのだが、現在は政治家になっているというオチも映画向き。どこかで映像化されているんじゃないだろうかと検索したら、つい最近の2018年に『メイズ 大脱走』として公開されていた。

約一時間半の小品で、レビューを見るとドラマ重視で脱走映画としては薄いらしい。IRAなどの前提となる情報の説明も少なめとか。


ポンペイと同時にベスビオ火山の噴火に埋もれた港町ヘルクラネウムからは、1981年と意外と最近になって倉庫から大量の人骨が、その近くから兵士らしきひとりの人骨が見つかったというドキュメンタリ。
倉庫に隠れていたのは奴隷と思われ、兵士が大量の金貨をもっていたのは火事場泥棒もしくは最後まで救助活動していた謝礼といった説がとなえられるが、真実ははっきりとしない。
クイズは「SATOR AREPO TENET」という文章につづく十文字を答えさせるというもの。5×5で表示されていたため、すぐ正解に気づくことができたが、中心の「TENET」に最近そんな映画があったなと思っていたら、そもそもそこからタイトルを引用したのだと検索して知った。

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