法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ビートたけしの知らないニュース 超常現象Xファイルスペシャル』

年末恒例だった『ビートたけしの超常現象[秘]Xファイル』を今年は放映しないのかなと思ったら、年明けに3時間SPとして放映。
www.tv-asahi.co.jp
前回までは『TVタックル』の特番という立場で放映していたが、今回から『ビートたけしの知らないニュース』の一企画という立場になるのだろうか。


今回は海外ロケこそなかったが、日本の各都道府県から短い映像を集めて、バラエティ番組らしく構成できていた。
どれも超常現象とはいいがたくとも「ナニコレ」といいたくなる風変わりな映像や写真ではあり、質は低くとも量を多く展開すれば楽しさが生まれる。
素人の投稿写真的なものばかりで作りこんでいない映像なので、超常現象肯定派もそれほど強気になって主張せず、あっさり自然現象の可能性が高いと認めていく。
投稿者にしても、海岸に流れついた死体を娘は人魚と主張したが母はゴマフアザラシという可能性を語ったり、特にオカルトを信じているわけではない。


大槻義彦が勇み足で全否定して揚げ足をとられたり、 山口敏太郎が関係ない話をもちだす詭弁をろうして一触即発になったり、いくつか火花の散る場面もあったが、全体として対決はおとなしい。
特に中沢健の存在感が番組を形作っているのが大きい。超常現象というにはオリジナリティの高い幻想的なオカルトを主張することで、肯定派も味方せず、否定派も苦笑で応じる。本人も本気で主張しながら反論に耳をふさぐ性格ではなく、「スカイヘアー」と主張した映像が蛸型凧にそっくりと指摘されればしぶしぶ認めていく。
すでに作家として一定の立場にある人物だが、その背景となった良くも悪くも無垢で純朴な人柄があらわれているな、と感じられた。特撮愛好家としての半生記を読んだ時は、一種の好感すら持てた。

平成特撮世代~新時代のゴジラ、ガメラ、ウルトラマンと仮面ライダー~ (映画秘宝セレクション)

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もちろん、そうした好印象もオカルトにつながれば、全肯定してはいけないとも思うが……