法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』月面クレーターを滑(すべ)っちゃえ!/ベロ相うらない大当たり!

「月面クレーターを滑(すべ)っちゃえ!」は、のび太ジャイアンスネ夫からスケボーにさそわれる。のび太はボードを持っていないが、スネ夫が中古を押しつけるように貸してきた。しかしのび太は秘密道具で安全になっても怖くて滑れない……
清水東脚本、氏家友和コンテ演出によるアニメオリジナルストーリー。スケボーの流行という公園の商業化に同調するような導入から、どんどん自由が制限されていく公園商業化批判のような物語になっていき、月面という逃避先を見つける。
月面の挙動が全体的に嘘っぽい。特に風があるような描写が良くない。土煙がまきあがるような印象をつくらないよう、月の砂はビーズのようなものと意識して作画演出するべきだろう。また、クレーターを人力で滑るだけでは、月の重力加速度を超えるのは無理だろう。


「ベロ相うらない大当たり!」は、適当な手相占いでチヤホヤされるスネ夫に対抗するため、のび太は舌を見るベロ相をはじめて、細かい未来まで的中させる。それはタイムマシンをつかうインチキだったが、見ていた大人が参加してきて……
2008年にアニメ化*1された初期原作を、諸橋隼人脚本と八木郁乃コンテでリメイク。作画監督がひとりで第二原画にクレジットされているが、たぶんスケジュールに余裕があるなら最善の業務配分なのだろう。
さすがに今どきは貧困層でもスマートフォンなどを活用して文章を書いていそうだが、赤松利市という小説家が現代にもいることを思うと、元高という小説家も一周まわってリアルだと思えるようになった。日本社会がそれほどふたたび貧しくなっているということでもあるが。