法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』不思議な町

世界各地の印象的な情景を紹介するということで、冒頭のミニ映像コーナーは観光地やイベントといった意図的な「不思議」が目立つ。
ドキュメンタリ紹介に入っても、中国の少数民族を次々に紹介していくところでは、歴史的な経緯や少数民族のおかれた立場よりも、とにかく風習の奇妙さにスポットを当てていた。


人間の街に珍しい動物が入りこんでいる各国の情景も紹介。南アフリカケープタウンの庭で巣作りするケープペンギンなど、やはり環境破壊などで生息地を追われて、しかたなく人口密集地へ動物が集まってきた事例が多い。
しかしタイのバンコク地下水道に巣食うミズオオトカゲは、まるでニューヨーク地下の下水道にすみついたワニの都市伝説のような面白さがあった。動物園が捨てる生ゴミを食べに地上へあがってきたり、餌付けと共存の中間のような光景も見られた。


最後に紹介されたのはミャンマーのエーヤワディー川で、現地の村人が協力して1年ごとに手製の橋を2日で一挙につくる光景。季節によって中途半端に川が浅くなって渡し船がつかえないため、1974年ごろから作りはじめたという。
きちんとした橋を政府が作らない理由として反政府勢力をふせぐためという説明はあったものの、やはり過去から現在までミャンマーでつづいている民主化闘争については言及されない。
しかし村人が総出で協力する光景は力強いし、能力にあわせて分担して人力で橋をつくる光景も興味深い。まず人間が立てるくらいの水深になってから、普通の樹木を川底につきたてて支柱にして横木をわたしていく。村人ひとりが長い2本と短い10本ずつ竹を供出し、女性たちが協力して四本に割いた竹を編むように組んで床にし、橋にならべていく。老いて力仕事ができなくなった男たちもヒモつくりなどで協力。
目視で対岸とたがいに橋をのばしていくが、現在は携帯電話をつかうことで楽になったり。そうかと思えば仏教国らしく盛大な開通式に僧侶が呼ばれたり。1日目に仕事が終わると皆が帰る中で酒宴をはじめる男たちがいる光景は親近感がある。そうしてバイクが手押しできるくらい丈夫な橋が完成して、村人は無料で通行できるし、よそ者から通行料をえることで村の収入も生まれるという。
スタジオでは各国の似たような手製の橋も紹介。インドでゴムの木とツタなどをからめた生きている橋が出てきたり、ミャンマーのそれより毎年のかけかえが歴史的につづいているペルーの編み橋などが登場した。
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