2時間SP。半年前の同番組と全く同じサブタイトルで*1、さまざまな逮捕エピソードとともに映画『アウトレイジ最終章』の宣伝をおこなう。
「駐車違反を取り締まれ!」では、レッカー移動が民間委託されているカナダのドキュメンタリー。ささいな失敗でなげいたり罰則金をふみたおそうとする人々を、お役所仕事のように切り捨てる窓口風景を映していく。ギャグのように見せていたが、どちらの立場であっても気分のいい情景ではなかった。
「ダイアナ妃の告白」は、秘匿されていたインタビュー音声を流しながら、イギリス王妃となった女性のなれそめから、結婚式以前からつづいていた不倫問題の悩みまで、あけっぴろげに映していく。しかし英国皇太子はマヌケだが、今回のテーマにはそぐわない気も。
「イギリス最悪の強奪事件!」は、1971年にイギリスで起きた銀行強奪事件を紹介。たまたまラジオを改造して無線の音声を楽しんでいた人物がいて、トランシーバーのふしぎな会話を受信。銀行強盗らしいと気づいて警察に通報するが、当初はまともにとりあってもらえず。テープに録音してようやく信じてもらえたが、その時は通信がとだえていた。ようやく周辺の各銀行へ状況をたしかめるが、範囲を広げすぎたあげく、金庫室のなかまで調べなかったため、まんまと逃げられてしまう。そして捜査の初動ミスをごまかすためか金庫室内の王室スキャンダル写真を隠すためか、事件の1週間後に謎の報道規制がなされたあげく、犯人グループこそ捕まったものの300万ポンドは行方不明という顛末。
ちなみに強奪されたロイズ銀行はベイカー街にあり、近くの空き店舗から地下道を掘って侵入したという手法から、某ミステリ作品を思い出したところ、番組中でタイトルをふくめて言及された。ネタバレすぎるが、古典だからしかたがないのかな。
「エドワード・スノーデンの偉大なる逃亡」は、愛国心の高さからCIAに入った男が、国家による国民監視をあばいて追われるようになった現在までを紹介。ブッシュjr.大統領の時代から始まり、オバマ大統領になっても継続している電話盗聴。それを香港に移動してマスコミに説明したスノーデンは、米国当局から指名手配され、移った各国においても圧力をかけられていづらくなり、しかし市民からの賞賛もあってウィキリークスの支援をえる。
ひとつひとつは報道で見かけた情報ではあるが、短い時間でまとめると相当にダイナミックな物語だ。特に、高圧的な米国と、米国に貸しをつくろうとする中国と、デモをつづける市民のいたばさみになった香港が、米国の書類記載ミスを口実にスノーデンの出国を見逃した展開が印象的だった。
パスポートを停止されたため空港外に出られず、ロシアへの協力はこばんだスノーデンの日々も、スピルバーグ監督の映画『ターミナル』を連想させる。そういえばオリバー・ストーン監督による劇映画も今年に日本で公開されたばかりだが、好評も悪評もあまり聞かないのはなぜだろう。
Introduction - 映画『スノーデン』公式サイト|7月5日 Blu-ray&DVD発売決定!