法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』つづきスプレー/ボールを鍛(きた)えろ!

「つづきスプレー」は、スネ夫の父の友人の男に、美術コレクションを自慢される。レプリカと知って評価を落とすジャイアンだが、アートとは何かわかっていないと追及され……
2012年にアニメ化*1された初期原作をふたたびアニメ化。これまでは演出ばかり担当してきた斉藤秀二が初めてコンテも担当。
今回は成金をスネ夫の知りあいにするアレンジは踏襲しつつ、美術品がレプリカという設定は原作から引く。登場も冒頭からで、中盤で登場する伏線にしつつ、美術のつづきを想像させる展開につなげる。ちょっと成金のコレクションが過剰すぎて、せっかく現実から引いた美術品のパロディなのにリアリティが欠けている。
そもそも自慢したがるだけの罪のない大人が、子供のいたずらに困らされる原作とは、かなりニュアンスが違っている。罪のないゲストキャラクターがひどい目にあうだけのギャグは笑えないことが多いが、後でフォローすればすむ今回くらいのいたずらは許容されてほしいと、趣味で物を集めているひとりとして逆に思う。


「ボールを鍛(きた)えろ!」は、野球で負ける責任を負わされそうになったのび太が、反論してジャイアンを怒らせてしまう。そこで投球練習をすることになった。ドラえもんが秘密道具をあたえるが……
職人のように道具を育てるアニメオリジナル秘密道具「そだてぬぐい」を登場させたアニメオリジナルストーリー。脚本は諸橋隼人。
シンプルなオリジナル秘密道具の設定と、さぼって成長が止まるあたりは原作っぽかったし、工事現場のクレーンが倒壊する事故をふせぐ派手な展開までは許せた。しかしボールが超巨大になるオチは、描かれてきた成長とはニュアンスが違いすぎるのではないか……