「しつけキャンディー」は、スネ夫の曾祖母が迷信をつかって説教するので、のび太たちは馬鹿にして笑う。しかしドラえもんは迷信にも教育効果があると考えて……
2012年にアニメ化*1した短編のリメイク。高橋悠也脚本の今回もアニメオリジナル描写が多め。
スイカの種を食べてヘソから芽が出る*2あたりからがアニメ独自の展開。ヘソつながりで雷様の有名な迷信につなげるあたりは面白かったが、秘密道具の効果で腹を出したのだから不可抗力ではないだろうか。そこから原作展開に戻すための理屈も、手でヘソを隠しただけという地味さで納得しづらい。
「人間味調味料」は、西部劇に憧れたのび太のため、人間の渋味を出す秘密道具をドラえもんが出してやる。さらにジャイアンの恋愛を助けるため、秘密道具を活用するが……
関智一考案の秘密道具によるアニメオリジナルストーリー。後半でスネ夫が率先してジャイアンを面白半分にいじりたおし、逆襲されるまでを描いたのはそのためだろう。
惚れっぽいジャイアンというネタを原作から引っぱりつつ、秘密道具でキャラクターが変わっていく面白味をシンプルに展開。描線まで微妙に変えて、劇画調のキャラクター作画になったりするのが楽しいが、ならば甘味なども萌えアニメのように作画してほしかったかな。
ビジュアルの面白さだけで引っぱったので、ただジャイアンのキャラクターが変わりつづけて少女に気持ち悪がられるだけのクライマックスは単調に感じた。キャラクターの変化を冗談ととらえて少女がつきあうくらいのひねりがあっても良かったかも。