「くっすくっす」が「屈す屈す」とかけてあることに気づいた。
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姫様が100回近くも拷問に屈した後で本当に今さらである。
しかして漫画のタイトル『姫様“拷問”の時間です』が実態は『姫様懐柔の時間です』なことは、捕虜の尋問の歴史を思うと正しさしかない。
実のところ捕虜から有効な情報をひきだすには、拷問で苦痛をあたえるより、きちんと相手を人間としてあつかうことが有効らしいのだ。
苦痛こそ精神的に耐えられることも多いし、逆に苦痛から逃れたい場合は正誤に関係なく情報を出すこともあるという。拷問は、たいして情報をもちあわせていない捕虜でも、その場しのぎのため偽りの情報を語るインセンティブがある。
ジョン・ル・カレ原作のシリアスなスパイ映画でも、そのような指摘を主人公がおこない、協力者を懐柔しようとするくだりがあった。
『誰よりも狙われた男』 - 法華狼の日記
ドラマの主軸は、力押しの強行手段を選ぼうとするCIAに対して、腰をすえて治安を守ろうと耐えつづける現地諜報機関の葛藤だ。
主人公側は、拷問による自白など信用できないと会議で指摘するし、イスラム過激派を殺害や逮捕するのではなく懐柔することを目的とする。
『ひめごう』の作者がそれを知って描いているかは別の話としても。