法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『トロピカル~ジュ!プリキュア』第6話 今はじまる! その名は、トロピカる部!

部室を確保し、さっそく活動しようとはりきる夏海たち。しかし何をやるかはあいまいで、申請しても生徒会長に却下される。
そうして悩んでいた時、何か困っている女性4人と校庭で遭遇。その4人は卒業生で、在校時に隠した宝物をさがしているという……


横谷昌宏脚本、志水淳児演出。あまり好きではない演出家だが、申請却下で生徒会室と部室をつなぐカット割りと、そのリフレインは楽しかった。
作画監督は藤原未来夫。以前のシリーズにもわずかに参加していたが、東映作品では『ゲゲゲの鬼太郎』の6期でローテ作画監督だった印象が強い。わりと美麗な絵柄だが、もともと髪型や服装が似かよっているゲスト4人が*1、ますます無個性に感じられたのが痛しかゆし。


前回の部室掃除が、そのまま今回のさがしもの展開につながったのは、連続性が感じられて悪くない。
そのまま校内や町中をさがしまわる物語をとおして、舞台設定を視聴者に教える……という制作側のねらいも良いのだが、学校も町内もわかりやすい指標がないので、さがしまわった場所が印象に残らないのが残念。過去回に登場した水族館や海岸などをとおりがかって、学校との位置関係を意識させるなどの方法はあったと思う。
町中をさがしまわる展開は、敵の攻撃が怪獣映画のようになる楽しさもあったが、そこまでで町を実感的に描いていないので、期待ほど巨大感や異化効果が感じられない。プリキュアはあまり実在の景色をつかわないし背景のデフォルメが強めだが*2、今回のようなエピソードは写真のような精緻な背景で見たいところ。
オチは内容があいまいなまま部活動が成立。根拠が人助けへの返礼というだけでは弱いが、卒業生4人という圧力で説得力を出しつつ、大人4人が年下に頭をさげる絵面で嫌悪感を消した。いくらか生徒会長側が認めつつ留保することで、「スカッと」感が薄いのが良い。

*1:校庭でさがしものをするためにしては、ロングスカートで着飾っている服飾デザインに違和感。同窓会などで再会して、その流れで校庭まで来た……という裏設定を感じたが、だとすれば台詞でひとこと説明してほしい。その裏設定があるとしても、パンツルックやショートヘアを混ぜるべきだったと思う。

*2:例外はパリというそれ自体が日本の視聴者にとって別世界を舞台とした過去作の劇場版くらいか。 hokke-ookami.hatenablog.com