法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『トロピカル~ジュ!プリキュア』第3話 自分を信じて! キュートいっぱい!キュアコーラル!

夏海は鈴村をはじめ、仲良くなったクラスメイトとともに街を見てまわり、水族館を楽しんだ。
鈴村は周囲が見てなくても他人へ親切にできるが、周囲がジュゴンの顔を笑う流れには逆らえない。
迷わずジュゴンの顔もかわいいという夏海に、鈴村は劣等感をいだいてしまう。
一方、夏海はローラと鈴村が会っていたことを知って……


早くも意外な佐藤順一コンテ。三年前の『HUGっと!プリキュア』で共同シリーズディレクターをつとめて以来のシリーズ参加か。脚本は横谷昌宏シリーズ構成が継続。
全体としては良くも悪くも古典的な東映女児向けアニメっぽい作り。善良でありながら同調圧力に屈してしまう鈴村の苦しみはお話としてよく描けているものの、周囲もふくめて教科書的にキャラクターが誇張されすぎている感があった。結末でジュゴンのグッズもかわいいと声をあげる鈴村に、あっさり他のクラスメイト全員が同調するのは良くないと思う。
物語の都合でローラを水族館へ行かせつつ、夏海がまったく知らないことで説明が難しくなっているのも好みではない。この過程をブラックボックスにすると、今後のローラが制限に向きあうドラマを描く時に説得力が落ちかねない*1
いずれにせよメッセージ自体は悪くないし、難しいことを考えずに問題をつっきっていく夏海のキャラクターも好ましかったのだが……


どちらかといえば、プリキュアとしての殺陣がよく組みたてられて目を引いたかな。
飛んだり跳ねたりしながら手前から画面奥の敵に向かうキュアサマー。自分を見つめて敵に背を向けてしまったキュアサマーの、背中にまわりむような防御をするキュアコーラル。
さらにローラが足元の水辺にいることで、敵味方の位置関係をていねいに見せるだけで画面が変化に富む。演出や作画の負担はあるだろうが、ローラの設定が予想外の効果をあげている。

*1:なしくずし的にあちこちの水場へローラが自由に出入りするようになるのなら、それはそれで緊張感がとぎれてしまい、あまり好みではない。