法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『トロピカル~ジュ!プリキュア』第7話 やってくる! 海の妖精くるるん!

発足したトロピカる部は何も決まってないが、とりあえず砂浜でランニング。そこでアザラシのような妖精くるるんに出会う。
ローラはしたり顔でくるるんの言葉を代弁するが、どれも間違っているようだ。そこで一之瀬がくるるんの心情を想像していく……


村山功脚本回。ローラを反面教師のようにして、他人の立場で心情をおもんばかる大切さを描いていく。今回はローラ個人を批判しないまま、間接的にローラのありようへ疑問符をつけるエピソードとしては良かった。
しかし、ただでさえレギュラーキャラクターが5人いるので物語における存在意義を出すのは難しそうなところ、言葉を話せない存在とはいえ新たなキャラクターが参加。部活動なのに無人の砂浜をランニングしていることにはじまり、他のゲスト的なキャラクターが登場しない展開なのはキャラクターを少しでも整理するためだろうか。プリキュアと敵組織以外のドラマを描く余裕がない。
いわゆる脳筋でぐいぐい周囲を引っぱる滝沢に、ためらいなく思いつきの論評を語るローラ、すべてを肯定して受けいれる夏海に、落ちついて分析していく一之瀬。ここで明らかに良くないのが鈴村で、進めるにせよ止めるにせよ状況の動きに変化をもたらすキャラクターになっていない。実際に今回はまったく活躍できないままだった。
鈴村が変身したキュアコーラルも防御技をつかうことでチームでの存在意義こそ示せているが、よく見るとキャラクタードラマと融合できていない。防御力が高い、いわゆるタンク役はチームの前衛で攻撃を受ける人格でこそ成立するのであり、ひっこみじあんで攻撃できないキャラクターにわりふってもアクションは機能しない。鈴村の性格からすると、名前どおりサンゴのように環境全体を変化させるプリキュアとして、周囲に防御壁をつくってプリキュアではなく一般人を被害から守りつつ敵を閉じこめるような役割が良かったのではないか、と思った。
今回それ自体は予想していたより悪くない内容だったと思うが、今のところ作品全体では敵幹部の人間模様のほうが個性的で楽しいかな。