公式サイトのバックナンバー表記にしたがっているが、さすがにこのサブタイトルはどうなんだろう……
最初は特殊なペットの紹介コーナー。南アフリカで洪水で流されてきた赤ん坊カバをひろった夫婦が、当局の手が回らないため家で育てることに。ルイボスティーを好んで飲むカバだが、カフェインなどは大丈夫なのか。
税関コーナーでも、スペイン港へ愛犬をつれてきた男のエピソードが印象的だった。EUの規則により、船に回れ右してモロッコへもどるか、七万円以上かかる手続きと追跡装置の埋めこみ*1を終えるまで三ヶ月も税関の檻に入れておくか、殺処分するかの三択。ストリートミュージシャンとして仕事で来た男だが、ともに旅をつづけてきた犬を見捨てられず、葛藤の末に戻ることにした。
他に催眠術にかけるという実験。催眠術にかからない人、極端にかかる人がそれぞれ10%くらいいて、なかでもかかりやすい人を選んでいく。
かかっているように動くが周囲の目を気にして付和雷同しているだけの人を排除したり、氷風呂で催眠がきれる人を排除した最後に、真面目な刑務官が残った。
そしてその刑務官に悪人を暗殺するよう暗示をかけ、銃や血のりを用意してドッキリをしかける。本人は何もおぼえていない状態で、実際に撃ってしまう……
催眠術でも心理的抵抗があって殺人などはおかせないという話が昔は有名で、それに反する展開ということもあってショッキングだが、真実身については微妙に感じた。カメラの存在を無視するような登場人物の行動が目につき、映像にリアリティ番組的な印象を受ける。
最後にメキシコシティーを走る民間救急車を紹介。900万人をかかえる巨大都市なのに公的機関の救急車は45台しかなく*2、かわりに警官に賄賂をわたして事故の情報をえるような民間の救急車が何台も走っていて、事故のたびに急患をうばいあう。しかし料金が高額すぎてタダ働きになることもあり、ガス欠になることも……
『ミッドナイト・ファミリー』というドキュメンタリーのダイジェスト版。すでにNHKでも放映されていたようだが、ダイジェストでも充分に興味深い内容だった。
www.madegood.com
www6.nhk.or.jp
*1:旅先で犬が逃亡すると虐待になりかねないので、ルールとして理解できなくもないが……
*2:だいたい同じ人口の東京23区に、多摩地区を足した1312万人を対象として、東京消防庁には236台の救急車があるという。 https://www.komazawa-u.ac.jp/~kobamasa/research/economics/service_economy/EmergencyMedicalServices_TFD.pdf