法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』ハラハラ・ドキドキが止まらない危機一髪SP

 2時間SP。テーマの関係で各ショート映像も危機から回避までが描かれることが多いので、ただ事件や事故を映すだけではない見ごたえある。


「イギリス王立救命艇」は、以前にも紹介された救難ボランティア団体。さまざまな海難事故に小さな救命艇で駆けつける。
 今回は悪天候下でエンジンが停止した大きめの漁船が見どころだった。他の漁船や救命艇によってワイヤー牽引されて助かるまでが描かれたが、船体が姿を隠すほどの大波で近づいてワイヤーを投げわたすだけでも大変なのに、細いワイヤーゆえちぎれたり、うまく牽引できなくて岩礁に近づいてしまったりする。
 もっとも崖下の小さな平地に落ちた牧羊を満潮までに救出して主人に返したり、牧歌的な救出劇もある。もちろんそれらも実際の現場では大変だろうとは理解しているが。


「イギリス空港税関」は、探知犬が強く反応した事例を多く紹介。もちこんだ靴の底にコカインを隠すという古典的な手口から、大型車の底に5人も隠れた密入国者。
 探知犬とは別に、飛行機で嘔吐しはじめて倒れた女性が麻薬を飲みこんだと疑われ税関職員が病院までついていったが、説明されたとおり実際に妊娠していたという冤罪も。
 最後もポーカーで大勝して現金の一部を腹に巻いていた男が探知犬に反応されて、それ自体は問題ではなかったのだが、珍しい現金持ちとして探知犬の練習台なるようたのまれる。


ノートルダム大聖堂の戦い」は2019年4月にパリ市街の中心部で発生した火災事件のドキュメンタリ。ちょうど事実に即した劇映画『ノートルダム 炎の大聖堂』も今年4月から公開中。
notredame-movie.com
 このドキュメンタリは火災を時系列で追い、ちょっとした油断から天井裏で見えない火災が広がり、とうとう尖塔が倒壊するにいたる大火災をさまざまな映像で見せていく。
 外見の印象に反して、ほとんど木製でつくられて「ノートルダムの森」とも呼ばれる大聖堂。貴重な文化財も多く収蔵され、その救出劇にもギリギリの判断が要求される。
 なお、劇映画は出火原因の追究より消防士の奮闘を優先したと監督がコメントしているが、そもそもスタジオの説明によると出火原因は今も確定していないらしい。


「アフリカの砂漠で暮らす動物たち」はカラハリ砂漠ナミブ砂漠で共生する動物を紹介。動物番組好きには既知なのかもしれないが、個人的に見たことのない動物の共生例が多くて新鮮だった。
 なんといっても、雨がふらなくても実がなるシロアカシアに対して、大人のゾウですらとどかない高いところから実を落としてくれるチャクマヒヒがすごい。ただ食べ方がだらしないだけらしいのだが、ゾウ以外の動物も貴重な食物にありつけるという。
 よくある体につく虫を食べてもらう例にしても、イボイノシシが寝転がってシママングースに食べさせる事例なところが興味深い。ワニやカバと小鳥のような、もっとサイズが異なる共生例は知っていたのだが。
 他にもナイルワニとたがいの卵を守るケープイシチドリ夫婦や、鳴き声でミーアキャットへ危険を知らせて逃がすかわりに食べ残しにありつけるクロオチュウ、シャカイハタオリの10m以上の巨大な巣に間借りして敵を追い払うコビトハヤブサなど。
 好物のサソリを食べるためクロオチュウは実際には危険がなくても鳴くことがあったり、コビトハヤブサはシャカイハタオリのヒナを食べることがあったり、あくまで利益のための共生ということも描かれている。だからこそなぜチャクマヒヒの習性がなぜ生まれたのかがわからないが。


「ハイジャックと戦った貨物機パイロット」は、1994年4月にテネシー州からカリフォルニア州まで飛んだ貨物機がハイジャックされた事件を紹介。
 ハイジャック犯は密航していたわけではなく、カリフォルニアで仕事があるからと同乗させてもらった航空機関士。ギターケースのなかに水中銃やハンマーをもちこみ、操縦席にいる機長と副機長と航空機関士の3人を襲撃。
 血まみれになりながら3人は徒手空拳で抵抗。副機長が見事な操縦で機体を反転させたり急降下させたりしてハイジャック犯の自由をうばい、仲間ふたりが拘束する。何度もハイジャック犯が攻撃するものの、最終的に片腕麻痺の状態で着陸に成功した。
 ハイジャック犯の動機は、離婚した妻子のため養育費をはらおうと勤務時間をごまかしたことがばれて、クビになる前に事故をよそおって自殺して保険金を妻子にはらおうというものだったという。


ピサの斜塔の秘密」は、ピサにある斜塔がかたむいている歴史と、そのかたむきで崩壊しないようふせぐ工事について紹介。
 地盤のゆるさで建造中からかたむきだして鐘楼だけまっすぐにされたという豆知識はもっていたが、あっちにかたむきこっちにかたむきで微妙にジグザグに建てられたことは初めて知ったし、塔の半分くらいで建造が中断した時期があることも知らなかった。同じ地域でかたむいている他の建物も見た記憶がない。
 地盤だけでなく七つの鐘がゆれる重さもかたむきが増える原因という情報も目を引いた。同日に放映されたノートルダムでも、もし火事が広がって落下すれば鐘の重さで全体が崩壊するという可能性が語られていた。ピサの斜塔ではかたむきを抑制するため、鐘自体ではなく舌だけを動かすように変えたという。
 また斜塔のかたむきを止める工事も、重しをつかって抑制しているという話は知っていたが、それ以前に地中深くの固い地盤まで斜塔とケーブルをつなごうとしていたことは初めて知った。そこで地下水の漏出をふせぐため液体窒素を注入したところ水分が凍結膨張してかたむきが増したという理科レベルの大失敗をしていたことに唖然とした。
 その後、かたむいている反対側の地中の土を横穴から抜きとって、安定させて現在にいたるという。