法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』ハラハラドキドキが満載! ギリギリSP

「ゴーストダイバー」は、サメにとって透明人間になるイリュージョンを手品師が決行する。
手品師といえばタネをしこんで慎重にトリックを準備するもので、それゆえ事故があっても無謀ではないと考えるべき職業。しかしこのドキュメンタリーに登場する手品師は見切り発車で行動しては危険におちいっていく。
サメに対して平気なふりをして、実際は心臓の鼓動が早まってサメに感知されやすくなって危機におちいり、しかし海上に逃げてからは能天気にふるまう。ツッコミ待ちのコントか。
そうした無謀な挑戦をとおして、サメがどのように人間を感知しているのかが逆算的に理解できてくる教養番組としての面白さはあったのだが。
「危険と隣り合わせの生活」は、大都市コルコタ*1で綱渡りのように生活する人々を追う。
渋滞緩和のため大型トラックの侵入が規制される都市中心部において、馬のように荷物を人力で運んで、平均の2倍の月収をえる男たち。巨大トラックに賄賂をわたし、荷台の石炭を落とさせてもらうという盗みを三代にわたってつづける少年と、同じ方法で生計をたてている名も無き村。
「イギリス!密入国はできるのか?」は、年間多くの密入国者がいるイギリスで、実際にさまざまな手法で密入国してみるリアリティ番組
老夫婦は、イギリスの検問を信頼して捕まることを期待した。そこでキャンピングカー内の扉を開ければすぐ見つかる場所に妻が隠れたが、直前のキャンピングカー内には立ち入ったのに、挙動不審になっている夫を見ても素通りさせてしまう。
ゴムボートで海峡の広い部分を北上しても巡視船に出会うことなく、車の運転席の後ろに隠れても熱センサーを使われず、他人のパスポートも鬚で顔の輪郭をごまかしただけで通過できた……少なくとも番組で紹介された範囲では、どれも簡単に成功して見えた。
もともと注意喚起と啓蒙のために作られたドキュメンタリーだそうだが、放映後にオランダの出入国基準が厳しくなる結果になったという。体感不安をあおるばかりで、密入国する側の視点が全くなく、賞賛しがたいつくりだった。
特にゴムボートで北上した男は、外海の波で転覆することを恐れ、実際の密入国者は小さなボートですしづめになっていると言及する。ならばそこまでして密入国したい動機へ少しは思いをはせてもいいのではないか。

*1:いまだカルカッタという名称の印象が私にはあるが、それはイギリス的な発音であって、現地の発音にあわせた正式名称をつかうことは正しい。