法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』クセがすごい人スペシャル

今年初の放送は2時間枠。ゲストの気象予報士わぴちゃん」の存在は初めて知った。


「イギリスの脱出王 ジョナサン・グッドウィン」は、さまざまな拘束状態から力業で脱出しようとする挑戦者を紹介。しかし手品のような華麗さはなく、大がかりな我慢大会のような状況から逃げるだけという地味さ。しかも自分で設定したハードルを超えられず、3回とも完全に失敗するオチ。撮影する友人の冷ややかなコメントが印象的だった。
「メキシコのヒーロー:スーパーアミーゴス」は、ルチャリブレにならって覆面をかぶって社会活動するメキシコ人を追う。米国にもアメコミヒーローを演じる社会活動家がいるが、こちらはより能動的に社会を変えようとする人々を紹介。住宅問題で住人側に立って奮闘する人もいれば、闘牛反対の活動のはてに闘牛士へ暴力をふるった人も。これらは報復から身元を隠すために覆面をかぶっている意味もありそうだが、そういう説明はなかった。
「偉大なるヌーディストたち」は、イギリスのヌーディスト団体が高齢化をぬけだそうとする努力を紹介。水泳イベントというかたちでヌードになる抵抗感を弱めて、若者をひきいれようとしたのだが、当日はどこも雨で寒かったというオチ。集まったのは300人の老人と、5人の新人のみだった。何ともしまらない顛末だが、雨にしては多い気がしなくもない。
「○○がやめられない女」は、貧しい母子家庭で生まれて万引きで生計をたててきた米国人を追う。ドリス・ペインという名前で世界的に知られ、店員の前で商品を手に取って店員が気をそらした時に堂々と持ちさるという手法をつかっていた。米国で州を転々としながら犯行を重ね、FBIに目をつけられれば欧州へ行く。しかし戦前に生まれた黒人女性というところに、ちょっと社会的な背景を思わずにいられなかった。もちろん窃盗を正当化する思想を母親からは理解されなかったというが。
「女性なのに男性として生きる!?」は、ブルネシャというアルバニアの風習をロシアが取材。男尊女卑の強固な社会において、跡継ぎが女性しかいなくなった時、男装して家をつぐのだという。いわば封建社会なりの妥協策ではあるが、一生を処女でいなければならず、男性と同じ労働をしいられて、家父長制の犠牲になっていることには変わらない。番組では老女しか出てこなかったが、2014年の記事によると著者が会った5人で最も若いブルネシャは40代だったという*1