「最終的かつ不可逆的」な日韓合意において、「当時の軍の関与の下に,多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題」*1と事実認定がされているのではなかったか。
《動かぬ証拠第4弾 》「性奴隷」の「証拠」は世界どこ探してもない。「IWG米国議会への最終報告書2007」米国が7年の歳月と3千万$の国費をかけ、ナチスと日本帝国の犯罪に関し政府職員や歴史学者で過去の公文書を徹底調査。だが慰安婦=「性奴隷」の有力証拠は何一つ見つからず。序文で「失望」と表現。 pic.twitter.com/vjmNK55UF6
— 山田宏 自民党参議院議員 (@yamazogaikuzo) May 8, 2019
念のため、IWG報告書そのものは、未調査の資料において特に新証拠が見つからなかったというだけの内容であって、これまでに発見された証拠が隠滅されたわけではない。
その上で、「最終的かつ不可逆的に解決」を従軍慰安婦問題の位置づけの固定とみなす論者は、たとえIWG報告書に何が書かれていようとも、山田氏にそれを論じる無意味さを説くべきだろう。
歴史学にもとづく追及を無効化するために日韓合意が持ちだされる。歴史学に反した日本の正当化に対しては日韓合意が持ちだされない。「責任を痛感している」はずの日本政府は何をしているのか。
ちなみに山田氏は日韓合意について、当初の2015年には河野談話と同列視して、「絶対にやってはいけないことをやってしまった」とツイートしていた。
昨日の慰安婦問題に関する日韓合意。絶対にやってはいけないことをやってしまった。改めての「首相のお詫びと反省」と「10億円の提供」だ。「何を反省し何に謝罪したのか」を曖昧にして「お金」を出せば、わが国が「慰安婦問題」という虚構の歴史を認めたことになり、「河野談話」の再確認となった。
— 山田宏 自民党参議院議員 (@yamazogaikuzo) December 28, 2015
しかし日韓合意で従軍慰安婦問題の追求から逃れられると考えるようになったためか、2017年には国連の勧告へ反発するツイートをするようになった。
わが国は日韓合意で慰安婦問題は解決済み(過去形)。韓国はいつの間にか「日本が①法的責任を認め②安倍総理が公式に謝罪し③元慰安婦に補償することを誠実に履行して、初めて最終的かつ不可逆的に解決される(未来形)」と、国連拷問禁止委員会に説明。ゴールポストを勝手に動かしたことを追求した。 https://t.co/7Qht6Chw6a
— 山田宏 自民党参議院議員 (@yamazogaikuzo) June 1, 2017
2018年には「国連等国際社会において,本問題について互いに非難・批判することは控える」という目標を自ら破ろうとしながら*2、韓国が一方的に破っているかのようにツイートしていた。
文大統領「慰安婦の被害を直接経験」国連で演説 https://t.co/9F43iLdZzN
— 山田宏 自民党参議院議員 (@yamazogaikuzo) September 28, 2018
日韓合意。わが国は約束を果たした。だが韓国は要求した10億円拠出の趣旨を自ら覆し、大統領自らが合意を破り、国際法違反の慰安婦像の撤去すらいまだ実行しない。速やかに断固抗議し、何らかの対抗措置を検討すべき。
これでは日韓合意で拠出した10億円が口止め料でしかないと語るに落ちているようなものだ。そうでないというならば、より建前として具体性のある河野談話の決意くらい、きちんと履行するべきだろう。
慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話
われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。
*2:日本政府自体も、2016年の時点で、国連で従軍慰安婦問題を矮小化する主張をおこなっていた。日韓合意については、日本政府が過ちをおかしたか、合意そのものが過ちか、今のところ二択だと思っている - 法華狼の日記