法華狼の日記

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日本の外務省などが圧力をかけていたベルリンの少女像が撤去要請されたとの報道

関係のない国家に記念碑を建立する意義は、きっと日本人ならいつかわかるよ - 法華狼の日記

日本は第三者国として、あるいは被害国として、さまざまな犠牲を象徴する碑をたててきた。

上記エントリの件で、日本が加害した記念碑が撤去されることとなった。もちろんドイツの加害や、日本の被害を象徴する記念碑も撤去されるという報道はない。
もともとベルリンの設置は1年間限定の予定だったが、短期間での撤去は日本が圧力をかけた結果だろうし、そう報じられている。
少女像の撤去、ベルリンの区が指示 韓国系の市民団体に:朝日新聞デジタル

 少女像をめぐっては、茂木敏充外相が1日にドイツのマース外相とテレビ会議で協議した際も、撤去に向けた働きかけをしていた。茂木氏はその後の記者会見で「東西分裂から生まれ様々な人が行き交い、共存するベルリンに、そういう像が置かれることは適切ではない」と述べていた。

 設置許可の取り消しを受け、加藤勝信官房長官は9日の記者会見で「前向きな動きとして受け止めている。引き続き状況を注視していきたい」と述べた。同日の自民党会合では、外務省側が設置の動きを事前に把握しながら阻止できなかったとして、「深刻に捉えるべきだ」との意見が相次いだ。

独ベルリンに設置の少女像 当局が許可取り消し撤去求める | 日韓関係 | NHKニュース

加藤官房長官閣議のあとの記者会見で「わが国としては、前向きな動きとして受け止めており、状況を注視していきたい。政府の考え方や取り組みをさまざまな形で国際社会に説明してきており、引き続き、努力していきたい」と述べました。

そのうえで「慰安婦問題については韓国政府に対し、最終的かつ不可逆的な解決を確認した2015年の日韓合意があるので、着実な実施を引き続き、求めていきたい」と述べました。

官房長官加藤勝信氏は、日本の要求によって表現の自由がうばわれたことを前向きな動きととらえている。
しかしウィーン条約を拡大解釈して公館近辺に制限をかけようとした日韓合意も、公金支出を問題視した「表現の不自由展・その後」も、ベルリンの記念碑を撤去させる理由になるはずがない。どちらも日本が国家として加害した歴史を抹消するため、その時々でもちだされた口実でしかないことがあらためて明らかになった。
ただの口実でないなら無関係な日韓合意をこの文脈でもちだせないはずだし、少女像そのものは表現の自由だという建前を語っていた人々は今回の日本政府のふるまいを批判できるはずだ。