法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『相棒 Season18』第2話 アレスの進撃~最終決戦

特殊作戦群の元陸将補である岩田は、娘の仲間たちを殺した容疑をかけられたが、特命係に囮として野放しにされていた。
そんな父を殺戮兵器と呼ぶ娘は、残った仲間とともに洞爺湖の兵器市場へ向かう……


輿水泰弘脚本による、約1時間半で描かれる後編SP。
前回に書いたように公式サイトではテレ朝キャッチアップが紹介されているが*1Tverでも無料配信されている。
https://tver.jp/episode/63864153
しかし配信のサブタイトルは第1話と同じ。最初は3時間SPにする予定で、公式サイトのサブタイトル表記は後づけだろうか。


孤島の捜査から岩田が逃げおおせた説明として20kmくらいの距離なら泳げると推理され、杉下の冗談かと思えば実際に描写される。
そうしたギャグかシリアスか判然としない場面が多く、なおかつ普通の刑事ドラマや本格ミステリなら不可能状況とされる局面を、特異的に優秀なレンジャー部隊員だから突破できると説明するのが、良くも悪くもアンチミステリを見ているようだった。その岩田の身体能力を船越英一郎が説得力をもって演じているのも困惑をさそう。


しかも真相はそれを踏まえつつ飛躍した無茶で、どんな顔をして見ればいいのかわからなかった。
岩田に教えを叩きこまれて体育大学や海外ボランティアの経験によって、娘もまた殺戮兵器と堂々の身体能力をえていたというのだが、やはり演じる北香那がちゃんとそれらしい格闘戦を見せてしまう。1カットで仲間たちを格闘戦で殺していくような難しい撮影に挑戦して、そこそこ成功しているのが笑うしかない。超人的な身体能力で犯人が特定されたが、同等の能力を持っていた人物が罪をなすりつけるために、あえて身体能力で殺戮したのが真相だった……というのはミステリなのだろうか。
日本の政治家が兵器を売買することを批判するという、いかにも社会派テーマにつながりそうな題材はミスディレクション。岩田娘と仲間たちはプルトニウムまで持ちこんで脅迫しながら、論戦で引きさがって兵器を必要悪と認めて、支援団体への寄付を要求するという腰砕けっぷり。そもそも岩田娘が仲間を恐怖で支配していたかのような回想もあり、反戦運動に暴力をもちこむことへの批判という解釈も難しい。
そうして全ては殺戮兵器な岩田父娘のミニマムな愛憎劇に収斂していった……これはこれで見ていて面白い娯楽ではあったのだが……