法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

その政治家は自国批判する美術展を守っている、などと世界一周している外国人へ説明しても、たぶん「アッハイ」と思われるだけじゃない?

愛知県知事の大村秀章氏が、あいち航空ミュージアムのイベントで一般公開されたシルバースピットファイア*1を紹介していた。
その紹介ツイートで翼に立っている写真に対して、展示物を踏みつけているという批判が押しよせていたらしい。
「大村知事がシルバースピットファイアを足蹴にした!イギリスに怒られる!」→「そこから乗るんだが?」「スタッフが促したんだが?」の突っ込み - Togetter
もちろんTogetterやはてなブックマークでも指摘されているとおり、当時の戦闘機は翼を踏んで搭乗するようになっている。
[B! togetter] 「大村知事がシルバースピットファイアを足蹴にした!イギリスに怒られる!」→「そこから乗るんだが?」「スタッフが促したんだが?」の突っ込み - Togetter
ちなみに私の場合は小学生のころに兵器にまつわる書籍で知ったが、義務教育で学んだかどうか記憶がないし、知らないこと自体には問題ないとは思う。
問題は、踏んでもかまわない場所をスタッフにうながされて乗ったと説明されて、なお外国へ失礼だという批判をつづけようとする態度にある。


さらにいえば、表現の不自由展を守ろうとした大村氏への嫌悪感を、世界一周イベントをしている人々に共有してもらいたいかのような態度にも首をかしげるしかない。
表現の不自由展で脅迫の要因となった少女像は、日本軍の戦時性加害を告発する表現と位置づけられている。英国軍は当時に日本軍と対立していた側だし、そのような告発に反発するとは考えづらい。
他に脅迫の対象となった天皇を素材とした表現にしても、自国の王室を風刺して茶化すことが一般的におこなわれている英国と比べれば、大村氏への強い反発を生むとは考えづらい。
何より、そうした脅迫につながる排外主義を許せば、世界一周イベントなど不可能になるのではないだろうか。

*1:(一部変更)世界一周飛行中のシルバースピットファイアが県営名古屋空港へ飛来し、あいち航空ミュージアムで連携イベントを開催します! - 愛知県「今回飛来するシルバースピットファイアは、1943年に製作され、2019年8月から実施している世界一周飛行「シルバースピットファイア – The Longest Flight (最長飛行)」に合わせて銀色に塗装・修復された機体」