法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『相棒 Season18』第1話 アレスの進撃

英国から帰国したはずの杉下右京が行方不明になって1週間。漂着した携帯から海流をさかのぼると、日本北端の島で謎めいた交流団体に杉下が留め置かれていたことが判明した。
そしてその交流団体の若者たちがなぜか建物の各所で殺されて、犯人として若者のひとりの父親が浮かびあがる。その父親は娘をつれもどしに来た、元特殊部隊員だった……


輿水泰弘脚本と橋本一監督による、いつもの立ち上げ1時間半SP。公式サイトを見ると、今シーズンからはテレ朝キャッチアップで無料配信もされるらしい。
相棒 season18|テレビ朝日
船越英一郎*1をゲストにむかえ、事件解決は次回につづく。今回は浦島太郎をモチーフにしていて、杉下は脱法ドラッグで竜宮城のような夢を見せられていたりする。
しかし全体として物語の主軸が判然としない。不可能犯罪やフーダニットあるいは社会問題といった謎解きに興味を持たせるとっかかりがない。偽りの回想や幻覚など、劇中の現実には起きていないことを映像化して、その法則性を明らかにしていないので、映ったものが信頼できない問題もある。
素直に考えると、交流団体はドラッグの密輸入のため活動していたという真相が用意されていそうだが……かつてレギュラー出演していた俳優が日本の南端の島で大麻所持により逮捕された事件を思うと、今回の舞台設定そのものにスタッフの何らかの意図を感じてしまう。もちろん、まだその事件の構図すらよくわからない段階なので、意図があるにしてもその内容は見当もつかないが……

*1:カットを割りつつも、反町隆史を相手にしたアクションの動きはキレが良く、演出の手腕ともども感心した。