法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』こんなカラクリがあったのか! 見たことない裏側SP

2時間SPで、ゲストは現役の医師でもある芸人しゅんしゅんクリニックPなど。お笑いにうといので、知らない間にどんどん新しい芸人が出てくる……
ゲストの中核は極寒のアラスカで写真撮影をおこなう松本紀生。紹介されるオーロラや動物たちの情景が物珍しく美しいのはもちろん、カマクラの設営などの取材のための準備なども興味深かった。


「猛獣が街をうろつく裏側」は、米国のさまざまな地域で大型ネコ科動物が人里に現れる問題を特集。いくつかの州で外来の大型動物を無許可で飼育できることを初めて知った。
オハイオ州の猛獣脱走、問われる規制 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
隣人ペット問題も米国では大陸的スケールというわけだが、さすがに近年はオハイオ州などで法規制が少しずつ厳しくなってはいるらしい。
米オハイオ州、外来種動物所有の新規所有を禁止 - ロイター
「チャリティーの裏側」は、イギリスで寄付される大量の古着の行方を、車椅子の元パラリンピック選手がレポートする。
新品同然でも流行遅れでは古着でも売れない。リサイクル業者のトラックに毎日5台くらい引き渡されるという。その大量の古着は梱包されてガーナへ。そこで市場で販売される。
梱包された状態で取りあいになるため、ガーナの商人同士でこぜりあいになったりも。ガーナでは法律で禁じられているはずの古着の下着販売も、堂々とおこなわれている。さらに古着はガーナの田舎にも運ばれ、やはり商人同士が奪いあいながら、人々にいきわたっていく。
結果としてガーナの伝統的な布地工場は次々に閉鎖され、国家的に金曜日に伝統的衣装を奨励するようになった。田舎では便利な古着を使いつづけるが、都市部では伝統的な布地をとりいれたスーツを仕立てたりする逆転が興味深い。
「古代技術のびっくり裏側」は、ギリシャローマ時代のさまざまな先進的な工法や機械を紹介。火山灰を85%つかった千年以上の耐久力があるコンクリートや、ヘロンの重量を多用した自動機械群など。
どれも存在や構造は子供向けの学習書籍で知っているものばかりだが、映像で動きを見るとまた新鮮で素直な驚きがある。
「男女関係の裏側」は、イスラエルでの女性が冤罪を作りだす問題や、アジアから女性を呼びよせるデンマークフェロー諸島の問題などを紹介。
イスラエルは車内喫煙を要求した女性が、タクシー運転手に断られると性暴力を受けたと警察に主張したりした事件を紹介。かつてイスラエルに女性首相がいたことや、ジェンダー平等を世界的に評価されたこと、女性側の偽証は罪にならない法制度などが背景にあるという。しかし現在の政治家の顔ぶれを見ても女性上位社会とまではいえないようだし、番組で紹介された事件も統計的な比率などは出されなかった。スタジオで北野武が男尊女卑イスラムへの対抗としての男女平等ではないかと指摘したりしたし、もっと複雑な背景がある可能性は留意しておくべきだろう。
フェロー諸島は若者が都会に出かけていくことで、そのかわりのように発展途上国から女性を呼び、3万人の島に500人の外国から来た妻がいるという。メインで紹介された女性の故国がフィリピンで、まるで一昔前の日本を見ているような気分になった。個々の家族は、強気ではない外国人妻を求めるイスラエルの男よりは幸福そうには見えたが……
「AIの裏側」は、現代の人工知能の最先端技術を一挙に紹介していく。
しかし自動運転車や医療用ロボットなどは珍しいが、どこまでAI技術が貢献しているかは判然としない。特に後者は、紹介された事例では人間の医師がオペレートした段階だという。
逆に、AI技術に批判的な作家は、葬儀でAIが語ったりすることを人間が受け入れられるかと問うたりするが、それをいうなら現在の冠婚葬祭は過去から見れば不謹慎なことも多いのではないだろうか。
「未解決事件」は、1985年12月19日にワシントン州チェホールズ市で80歳の資産家夫婦が殺された事件を追う。
乗り捨てられた夫婦の自動車まわりの証言から、後部座席に第三者がいたらしいことや、殺される直前に預金をおろしていたことが判明。残された煙草から親族の喫煙者が疑われたが特定できなかったり、自身を真犯人だと吹聴する男に囮捜査をしかけると事件の詳細を知らないことがわかったりして、迷宮入り。
やがて年月がたち、事件当時に十歳だった若手捜査官が再捜査。てっきり吸い殻のDNAから犯人を特定したのかと思いきや、当時に捜査で使ったモノクロの容疑者写真を鮮明化して着色して、自動車まわりの目撃者に特定させたというものだった。