法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『スター☆トゥインクルプリキュア』第36話 ブルーキャット再び!虹色のココロ☆

惑星レインボーの指輪を、ドン・オクトーが持っているという情報が入る。その男は、以前にオークションで見かけた宇宙マフィアだった。
さっそくブルーキャットになって盗みに行こうとするユニ。星奈たちは批判しつつも止めることができず、なしくずしに同行することになるが……


今回からOPが映画宣伝ダイジェストへ変更。慣例となって久しいが、今年は遅い印象がある。映画宣伝エピソードの放映に合わせたのだろうか。今作に脚本として初参加した田中仁は映画でも脚本をつとめ、ゲストキャラのアン警部補も映画の登場人物らしく*1、結末のトラブルは映画につづいているという。
奪われた物だけを盗み返すという、善良な怪盗を描くための手法が、正面からは肯定しにくい現代。しかし中盤ということもあってか、仮の結論を出すこともしないまま、主題をずらして物語を閉じてしまった。あまり良い構成とはいえないのだが、しかし設定や人物の根幹をゆるがすような問題提起だけして回収できないエピソードは嫌いになれない。答えの出せない問題*2とわかりながら言及せずにいられない、ある意味での生真面目さが好ましく感じられる。
プリキュア内で意見が衝突して、悪人もノットレイダーと宇宙マフィアは利害が対立し、さらにプリキュアもマフィアも捕まえようとする星空警察の新人がやってくる……そんな複数勢力がいりみだれる関係性も、ノワールやヤクザ映画のような状況のままならさを描いていて、いろいろなことを保留したり流れで処理した結末も許せた。ブルーキャットとアン警部補の距離感がたもたれたまま終わったことも良かった。

*1:映画主題歌を歌う知念理沙が演じていて、正直にいえばつたなく感じたが、空回りする新人というキャラクターには合っていなくもなかった。

*2:誤解を恐れずにいえば、一般的に正答が定まらない問題だけでなく、制作者の能力が不足している場合もふくめる。