2011年に1クール放映されたTVアニメを、主人公のライバル視点で約1時間にまとめて2012年に公開された劇場版。
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 2012/04/20
- メディア: Blu-ray
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大橋誉志光監督他、メインスタッフの多くはTV版から継続。脚本のみ、第8話にだけ参加していた綾奈ゆにこが単独でクレジット。
主人公の知らないところで戦っていたライバルの描写で、多くの新規作画も追加されつつ、もともと統一感のあったTV版とのつなぎもスムーズ。
TV版は、事件に巻きこまれて特殊能力をえた主人公の視点。1話ごとの怪物を倒しながら、ライバルの謎めいた言動に反発し、やがて味方側で暗躍していた黒幕と戦うことになった。
劇場版は、特殊能力の実験体となったライバルの視点。最初から事態の全容を把握しているので、短い尺でも説明不足がほとんどない。TV版の序盤でライバルが何をしていたかもわかり、全体の見通しが良くなった*1。
まっすぐ疑問をぶつけてくるTV版の主人公が、ライバル視点だと何も知らないのに説教してくる面倒くささが理解できるし、説明する時間が惜しい感情もわかる*2。
TV版の主人公とヒロインが結末で距離を縮めるサービスもあるし、Blu-ray特典のピクチャードラマは約20分近くの学園パロディが楽しい。
TV版は良くも悪くも優等生すぎて埋もれた感があったが、その生真面目さが制限の厳しい総集編でも楽しめる作品を提示する姿勢につながったように感じられた。
*1:『宇宙戦艦ヤマト2199』の総集編ではいったん構想しながらとりやめたそうだが、やはり総集編を短くまとめる時に効果的な方法のひとつだ。『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』 - 法華狼の日記
*2:ライバルだけでなく主人公も会話をすぐにあきらめてしまうため情報の共有が遅れたという構図は、オーディオコメンタリーでスタッフも自覚的に指摘している。