法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ラクエンロジック』雑多な感想

 千明孝一監督、動画工房制作のTVアニメ。ブシロードTCG企画のメディアミックスとして2016年に放映された。

 翌年にシリーズ作品『ひなろじ〜from Luck & Logic〜』も放映されたが、TCG展開は2018年に終了した。


 線や色の複雑な戦闘キャラクターをCG制作会社オレンジの3DCGで描画。手描き作画と比べた時の違和感なさがすごい。しかし手描きアクションは動画工房のわりには期待外れだった。副監督とプロデューサーが3巻と6巻のオーディオコメンタリーで語っているように、最も描写に力を入れたのが第6話の唐揚げ食事と脱衣シーンなのはどうかと思う。いっそ動画工房はもっと正面からセクシー系アニメを作っても良いのでは。
 第1話で過去の戦いをへて引退した主人公と、いきなり引き抜かれた少女という世界への無知度が異なる視点をふたつ配置して、独自設定が多い現代異能ファンタジーなのに説明不足におちいらない手さばきはうまい。第2話でクイズ形式で各キャラクターの性格を描きつつ設定説明を延々とくりひろげたところも、こういう作品に必要なことをよく考えている。
 一見してライバル的なキャラクターの深いようで浅い立ち位置も個性的で面白い。だからこそ、メインとなる敵に篭絡されてラスボス的な立ち位置になったのは惜しかった。思わせぶりな態度をとっているのは活躍できる状況にないから、という他に見ないキャラクターを生かしたまま物語をまとめてほしかった。