星空連合からサボローという名前の視察員がやってくるので、星奈たちは出迎えることとなった。やってきたサボテン型の異星人は音声でコミュニケーションがとれなかったが、天宮がボディランゲージで意思疎通に成功する。しかし実家の花を贈ったところ……
今作の小林雄次脚本回では初めて感心できたかもしれない。周囲よりも大人にふるまい難題をやりすごす天宮が、もともとボーダーラインに立つ人間として、いつも以上に苦労を背負うドラマとして印象深かった。
異星人のプルンスですら音声でコミュニケーションがとれないなら、肉体的にまったく異なる地球人のボディランゲージも通用しなさそうだが、そこさえ目をつぶればファーストコンタクトSFとしてよく構成されている。ゲストキャラクターと最後まで言語的なコミュニケーションはおこなわなかったことも、低年齢向けアニメとして挑戦的だ*1。
星空連合から調査に来たはずなのにコミュニケーションができないという導入に、実は偶然に来訪した別人という真相を用意。そこまでは古典的なパターンの応用だが、そこから無私の友情をはぐくむ物語につなげた。
宇宙的な連合に認めてもらうためでなければ、もちろん大規模なイベントを招致するためでもない、偶然におとずれた対等な相手への「おもてなし」。それを美しく描いたこと自体に意味がある。
植物型の異星人だから花を切り売りする文化に怒ったのかと思いきや、サボテン型異星人が自身の肉体に咲いた花を贈るラストで、どこまで何を怒っていたのか不明瞭になったが、それも逆にSFとして良かった。