法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『スター☆トゥインクルプリキュア』第31話 守り抜け!最後のプリンセスのペン☆

地球に帰ってきた宇宙船を追いかけ、星空連合の巨大宇宙艦が登場。現れたトッパーは手続き問題を処理した後、プリキュアに星空連合への加盟を求める……


今回も連続して村山功シリーズ構成の脚本で、前回までの異星人側の羽衣のドラマを終えて*1、そうした異星の社会機構に星奈が組みこまれるドラマを展開。
組織に組みこまれることを求めるトッパーだけでなく、ほぼ初めて前線へやってきた敵幹部ガルオウガとも、星奈はひとりで対峙する。プリキュアでも最も子供な主人公が大人の論理に向きあうこと、それだけでも緊張感が生まれて物語がドラマチックになる。
基本的に終盤にならないと正体を明かさないシリーズにおいて、この段階で戦う戦士として求められるあたり、地球と異星の両方を舞台とした今作ならではともいえるだろう。同じ村山シリーズ構成の『魔法つかいプリキュア!』も似た構図はあったが、主人公たちは自身の幸福を最優先にしてブレなかったので、戦う力を持つ者の責任を求めるようなドラマにはならなかった。


近年は劇場での仕事が多い爲我井克美の作画監督で、絵がよく整っている。ちょいちょい入るデフォルメ表情もラフな手描きの味があって良い。
しかし何よりも、プリキュアの仲間たちが参戦した時のアクション作画が、独特のタイミングと描線のフォルムで目を引いた。志田直俊よりも線が荒々しく、山下将仁やいまざきいつきを思い出させる、金田伊功フォロワーの作画のようだ。クレジットされているスタッフを見ても、誰の仕事がよくわからないのだが……
スタートゥインクルプリキュア 31話 感想 全力考察 プリキュアは全宇宙を守る責任があるのか - 金色の昼下がり

f:id:kirinnekokun:20190911221444j:plain
f:id:kirinnekokun:20190911221438j:plain

*1:アブラハム監督が、より辺境の星に飛ばされることを嫌がる台詞から、地球を辺境あつかいしていることが地味にわかるのが進んだ文明をもつ異星人らしくて面白い。