法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『スター☆トゥインクルプリキュア』第27話 海の星!人魚になってスーイスイ☆

惑星サマーンへの旅はつづく。今回は前回に出会ったヤンヤンの故郷、プルルン星へやってきた。
全体が水でおおわれたプルルン星に突入した宇宙船で、星奈は外で泳いでみたいといいはじめる……


特に大きなイベント回ではないが、高橋晃キャラデザインの作画監督回。原画にもスタジオダブの面子がそろっている。アイテムを使って人魚へ変身する時、わざわざバンク*1のような特別な演出と作画を、ひとりひとりに用意しているのが楽しい。
その代わりなのか、プルンスが奮闘する水面に突入する映像を使いまわして、省力しつつ、くりかえしギャグとして楽しませてくれた。宇宙船の窓を使ってプルンスを星奈たちが無視する2画面ワイプ的な演出や、プルルン星に突入する時の横からくる水面など、今回の演出は小技が効いている。


物語の本筋は、故郷を救うために周囲を騙したユニと、それゆえ罰を受けるように騙されていたアイワーンの衝突。
自分が傷つけられたからといって他人を傷つけていいのかと叫ぶアイワーンは、もちろん最初に傷つけた側の身勝手な主張ではあるが、過去のプリキュアにはないユニのキャラクターをドラマの論点にすえる良さがある。身勝手だからこそ幼さを感じさせ、それが無垢な印象を生み、ひいてはバケニャーンに対する信頼は本物だったようにも感じさせる。
対するユニはうまい反論ができないが、変われるのは良いことだという星奈のフォローで救われる。物語のプロットとしてプルルン星の水遊びは本筋と関係ないのだが、そこで使った変身アイテムを反論につなげたことに感心。さすがに充分な反論とまでは感じなかったが、アイワーンとの再戦は予定されているし、今後さらに深く描いていくことを期待したい。
細かい技の切れ味に、今回は村山功脚本かと思ったが、広田光毅だった。もちろん演出で改変されている可能性はあるが、こういう脚本も書けるのかと少し驚く。

*1:変身や必殺技などの、何度も使いまわすことを前提とした映像のことで、だからこそ見ばえするよう力を入れることが多い。