法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『HUGっと!プリキュア』第43話 輝く星の恋心。ほまれのスタート。

大会を前にして、浮かない顔の輝木ほまれ。フィギュアスケートで悩んでいると思っていた周囲も、さすがにハリーへの恋心が原因と気づいていく……


坪田文シリーズ構成が連続で脚本。20話以来に共同SDの佐藤順一がコンテを切り、演出の岩井隆央は2年ぶりにプリキュアシリーズに参加。
同じ女児向けアニメと比べてもプリキュアシリーズは低年齢の視聴者を想定していると聞く。そのためか、時たま高年齢を想定したようなストーリーこそ展開されても、恋愛感情をメインにしたエピソードは少なかった。メインキャラクターが正面から告白したのは、記憶では初めてに近い*1
しかし内容は特に奇をてらわず、意外と力を入れてもいない*2。たがいの思いをうちあけあい、それを周囲が支える。ただそれだけのことを、ちゃんと登場人物の心情によりそい、ていねいにまとめていた。
ハリーが未来から来た小動物という障害も、あまり重くあつかわない。その直前に野乃はなに接近してきた敵首領*3との対比で、大切なことは他にあることを示している。


告白をすませて胸のつかえがとれ、動き出した輝木は、フィギュアスケートで華々しく技を決めていく。そのままエンディングに入ってもいいくらいカタルシスにあふれた情景だった。
逆にいえば、演技の後に敵幹部ビシンがあらわれて会場の外で戦う展開は、番組のノルマと理解はするが、蛇足という印象が否めなかった。
たしかにビシンとハリーに因縁はあるが、ビシンと輝木ふたりの因縁は強くない。たとえば輝木がフィギュアスケートを続ける会場の横でプリキュアが戦い、その同時並行する戦いをとおしてハリーのドラマを描くといった構成にはできなかったものか。

*1:メインキャラクターが自覚した恋心を告白する前に別れたエピソードや、サブキャラクターの告白をメインストーリーにすえたエピソードはある。『スマイルプリキュア!』第36話 熱血!?あかねの初恋人生!! - 法華狼の日記 『魔法つかいプリキュア!』第34話 ドキドキ!初恋の味はイチゴメロンパン!? - 法華狼の日記

*2:なまためやすひろ作画監督なので、ポイントとなるスケーティングをのぞいては、それほど作画が整っていないし、動きも少ない。

*3:歩道橋の上で、ゆっくり流れる車列が下に映るコンテが印象的。