神社で不審な行動をとる男に、特命係は目星をつける。その天文学者の男が誰かを殺害しようとしていると考え、そのトリックを先回りしてつぶしていくが……
前回とは打って変わって、変則に変則を重ねた本格ミステリのようなエピソード。さまざまな殺人トリックを参考にして、恐喝者を殺そうとした天才天文学者が、マヌケな失敗をくりかえしていく。
バカバカしいトリックが次々に推理されていく展開に、人の命を軽く考えたコージィミステリの味わいがあり、かつ悪人には相応のしっぺ返しがあって後味が悪すぎない。
そうした表で進行する倒叙ミステリらしい展開の背後に、隠されていた構図が明らかとなるのも、このドラマらしいひねりで良かった。
ただ今回のテイストなら、いっそのこと人死にがなくても物語は成立したのでは。