法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『相棒 season17』第2話 ボディ〜二重の罠

離れ屋を破壊しても死体が発見されなかったことで特命係に責任がかぶさるかと思いきや、杉下も冠城もひょうひょうとしていた。
そして三上冨貴江たち3人は特命係のしかけに引っかかるが、そこからさらに犯人にとっても意外な展開が……


第1話*1につづく輿水泰弘脚本に橋本一監督というメインスタッフで、新シーズン初の事件を1時間超の枠で解決まで描く。
通常の1時間枠でおさまりそうなトリックをひきのばすだけという、この作品の枠拡大SPの悪癖を脱せていなかったが、いわゆる倒叙ミステリに見せて真の構図が隠されていた展開は悪くない。


まず、予算の消費っぷりに驚かされた前回の離れ屋破壊だが、容疑者の意識を誘導するため派手にしかけただけ。他にやりようはあったと思うし、もっと小さな罠にすれば前回の1時間半に物語が収まったろう。とはいえ“さすがに二度目の手間暇はかけまい”という予断を利用した罠ではあるので、まったく無意味というほどではない。
そして容疑者同士の証言の食い違いだが、容疑者が3人しかいないし、露骨に態度が怪しかったので、三上の夫と被害者の若妻が不倫している真相には見当がつく。真犯人を特定する手がかりも少ない。とはいえ、死体発見後も見こしてトリックがしかけられていて、ドラマが転がっていくことは全く期待していなかったので、この作品らしいブラックな味わいの物語としてけっこう楽しかった。