「中東ドッキリ&エジプトのちょっと過激なドッキリ」は、世界の過激なドッキリ番組を紹介。実際にジェット機を飛ばして、強気な女優に墜落を仮想体験させようとするのは、裏を知っていても事故が起きないかと冷や冷やした。実際、女優はキャビンアテンダントの下手な操縦で墜ちるくらいなら自分が操縦するといって、操縦席に入ろうと暴れたりするし……
「コロワイ族と過ごした一年」は、ニューギニアで樹上生活をする先住民をイギリスから取材に。しかし高所のツリーハウスはガランとしていて、生活感が全くない。不審に思って問いつめると、普段は近くの村に暮らしているのだという。ツリーハウスはカナダの撮影隊に依頼されて建てたもので、高すぎるものにいたっては怖くて入ることもないという。
本当に樹上生活をつづけている人は残っていないのかとさがして、弓矢で攻撃するふりをしてくる男たちに出会った後、奥地で生活感ある低いツリーハウスにたどりつく。しかしそこから去ろうとした時、住民がヤラセを示唆するセリフを発する。紹介終了後の追加情報で、その低いツリーハウスの住人も近くの村に住んでいたと語られた。報道の求める絵を現地人が提供しているという構図を、イギリスからの取材者が自省的に語っていたことが印象深い。
ただ、十数メートルはありそうな高い樹木に人力と簡単な道具で現地人がツリーハウスをつくったのだとすると、それはそれですごい技術なのではないか、とも思った。ツリーハウスをつくる対価の安さから考えると、大規模な建設機械などは使わなかったと推測できる。
「シークレットミリオネア」は、富豪が身分を隠して市井で奮闘する人々に出会い、感情が動けば寄付をするという番組。ひさしぶりの今回は、富豪自身が片足切断をしているという特殊なプロフィール。切断にいたらしめた交通事故の賠償金を元手に不動産業を成功させたが、自身の障碍を直視したくなくて、これまで同じ立場の人々とは距離をとっていたという。
基本的に出会った個人に感化されていくフォーマットのまま番組が進むのだが、手作りによる障碍者向けアスレチック施設など、興味深くも多様な現場を富豪視点で知っていく面白味もある。悪くない。