法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん クレヨンしんちゃん 春だ!映画だ!3時間アニメ祭り』オラ、双子パンダの飼育係だゾ/爆盛!のはらーめんだゾ/よく飛ぶ紙ひこうきだゾ/「映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」

両作品の前年映画放映と今年映画宣伝をかねた、恒例の3時間SP。どれも初見の『クレヨンしんちゃん』のアベレージが高くて嬉しい。コンテ演出はすべて横山広行。
「オラ、双子パンダの飼育係だゾ」は、ふたば動物園に双子のパンダがやってきて、しんのすけたち5人の誰が飼育をするかで競う。パンダのネーミングが「カスカス」と「カベカベ」なのはギャグと理解しつつも無理を感じたが、パラレル設定の動物愛護物語としてオーソドックスによくできていた。おびえていたパンダを誰がどのように救うのかというオチも、やや伏線不足だがまとまりはあって悪くない。
「爆盛!のはらーめんだゾ」は、客の来ないラーメン店をいとなむ野原一家が、拉麺大会の世界一をとって逆転することを目指す。なぜか連続してパラレル設定だが、ぶりぶりざえもんを導入することで、ひとひねりしつつグルメ物としてのポイントをミスディレクション。ギャグにおりまぜて美味の真相を提示しておく伏線にけっこう感心したし、その真相のイレギュラーぶりでAIを打倒する展開も定石をふまえている。それがただのギャグでなく、グルメ漫画包丁人味平』を思わせるところも笑えた。美味に驚く演出でTVアニメ版『ミスター味っ子』を踏まえたり、世界拉麺大会を知るのがサプリCM番組のパロディだったり、ディテールの細かさがくだらなくていい。
「よく飛ぶ紙ひこうきだゾ」は、ひろしとしんのすけ折り紙飛行機で競うこととなり、まさおが巻きこまれていく。ショートストーリーなのに前半と後半が分離していて、当初の課題が解消されないまま結末をむかえるが、そのとっちらかっている展開が子供の奔放さを感じさせて意外と悪くなかった。登場する折り紙飛行機も、オリジナリティがありつつ子供でも作れそうなデザインになっていて、けっこうリアリティがある。
『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険は、シリーズの記録を更新した作品。冷たい南極のさらに奥底へ、時をさかのぼるように真実をさぐろうとする。
『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』 - 法華狼の日記
くわしい感想は上記エントリですますが、いつものようにTV放映でEDがカットされても違和感が少ないことは印象的だった。オチの絵としての美しさ、まとまりの良さが、そこで断ち切られてもおかしくない雰囲気を生んでいる。