法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『キラキラ☆プリキュアアラモード』第34話 小さな大決闘!ねこゆかりVS妖精キラリン!

琴爪ゆかりとクリスタルアニマルが衝突して、琴爪の体が猫の心に、琴爪の心が猫の体に入りこむ。
猫の姿の琴爪は、苺坂の猫をあっさり支配下において、妖精との縄張り争いにくわわるが……


琴爪回を多く手がけた今千秋コンテに、初参加の森江美咲脚本。脚本家はアニメでは『ソウルイーターノット!』『アイカツスターズ!』等の参加でおぼえがある。
物語は、『君の名は。』を思わせる人格入れかわりかと思わせて、猫に変身したまま猫の社会に介入する風刺劇へと発展していく*1
入れかわりを重視していない証拠に、猫の人格になった琴爪の奇行は勝手に煮干しを食べるだけ。もともと周囲と距離のある性格なので騒動には発展しない。そもそも生きた猫と入れかわるのではなく、動物型のアイテムによる変化なので、変身物と考えるべきだろう。


初参加スタッフだからこそだろうか、ずっと存在感のなかった三ツ星模様の猫をボスにして、縄張り争いをめぐる物語を展開。過去作でしばしば動物のふりをしてきた妖精が、今作の今回は街に住んでいる動物と衝突する。
コメディタッチな導入から、対立と和解を描くドラマへの落差が印象的で、かつ物語の流れに違和感がない。猫を演じる琴爪と対決されるのが、人間を演じている妖精キラリンという構図もよくできている。あらためて新プリキュアの立ち位置を語りなおし、琴爪の作戦を肯定することでキラリンの過去も暗に肯定する。
衝突を背後で操っていた敵眷属が、犬型というビジュアルもいい。普通の人間が知らない戦いという今回のコンセプトが、きちんと絵として貫かれた。

*1:猫に入れかわって大騒動する物語は、半年ほど前の『ドラえもん』のアニメオリジナル回が印象に残っている。『ドラえもん』ママをつかまえろ!/四次元くずかご - 法華狼の日記