法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』水辺のミステリー! 謎が氾濫する川

今回は川特集なのでレギュラーコーナーを入れることもなく、多くの珍しい風景を楽しむことができた。
ゲストとして怪魚ハンターの小塚拓矢氏が登場、さまざまな巨大魚の写真を見せたり、塩分の多い川は魚が大きくなるという経験談を語ったり。
番組最後には韓国の企業がつくった魚ロボットが紹介。極端に斬新なものではないし、1機100万円近くと高価な業務用だが。


アマゾン川の怪物」は、ボートに乗っていた人が行方不明になったり怪死したりする事件を追う。被害者は小さなボートから煙のように消えたり、全身アザだらけの死体で見つかったり。さまざまな巨大魚も原因とは考えにくいというところで、肩を脱臼した被害者が発見されたことから、アナコンダという推理が展開。実際に水中で巨大アナコンダが発見された。アザという証拠から電気ウナギのたぐいかと思ったが、なるほど丸呑みされると全身がアザだらけになるわけだ。
チンパンジーが支配する島」は、リベリア共和国の川に、恐怖の島があるという。そこのチンパンジーは凶暴で、感染症の恐れもあって、現地人は近寄らない。狂犬病にかかっているのかと思ったが、たしかにチンパンジーは威嚇してくるが飢えている。島に上陸してみると猿の像が飾られ、現代的な建物が廃墟となって残されていた。動物園のたぐいにしては客寄せの様子が見えないと疑問に思ったら、もともと米国と共同でB型肝炎ワクチンを開発していた研究所だという。内戦と動物実験批判により放棄され、ウイルスをもった猿が周辺住民を困らせていたという真相だった。国家の犠牲となった弱者と猿。それでも動物愛護団体などの支援もあり、6億円かけて猿をケアするプロジェクトが立ち上がったというのが救いか。
チベットの塩田」は、木造の巨大な棚が川辺に建てられてる奇観を紹介。川の周辺は岸壁がむきだしで、土色の棚は周囲と同化して見えて、まるで天然の構造物のようにも見えた。そこランソウ江では塩泉がわきだしており、それを女たちがバケツでくみあげて棚の平面に流しこみ、乾かせて塩をつくっている。両岸で異なる部族が塩をつくっており、一方では赤土を混ぜることで高級品として売っている。作った塩は男たちが野宿しながら10日かけて周辺の村に売り歩くという。
「アマゾンを走る法廷船」は、年6回1週間かけてアマゾン川を定期運航する裁判所。流域の小さな村には裁判所がなく、裁定が保留されつづけているため、乗っている女性裁判官*1が国にたのんで1995年から運営されている。もちこまれる事件は民事から刑事、さらに子供同士の幼い喧嘩まで一手にひきうける。検察官や弁護士や警察官も同乗し、運航最終日にはダンスパーティーを開く。興味深いのは身分証明書を発行するような手続きもしているという情報で、住民に戸籍を出しているという。しかし戸籍制度があるのは日本と、かつてその統治下にあった国くらいのはず。ブラジル等にも戸籍制度はないらしいが、ドキュメンタリーを翻訳する時に意訳したのだろうか。

*1:7人の子供を育てるシングルマザーというプロフィールが、人情的な判決とむすびつけて紹介された。