法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』真夏なのに背筋が凍る! 戦慄の瞬間スペシャル

20時に開始しながら2時間SPという珍しい枠の使いかた。ゲストは洞窟探検家の吉田勝次ら。


「魚たちの攻撃」は、海中生物にひきずりこまれたり、襲いかかられたりする映像集。前半は釣りをしていてサメやカジキに海へ引きずりこまれるサスペンス。後半はゴンドウクジラにふれあっていた女性が水中にひきずりこまれたり、ウツボを友人あつかいする水中インストラクターがソーセージを出すのにてまどって親指を食いちぎられたり、動物へ身勝手に期待する危険を描くエピソード。特にクジラの危険を見せる映像はTVでは珍しい。
「インドの危険な穴潜入」は、ロシアメディアが取材する雲母採掘場の児童労働問題。自然保護のため採掘が禁じられているが、がんばっても1日280円しか稼げない貧しい地域では1日300円をえられる雲母採掘をやめられない。マフィアが支配している採掘場もあれば、3歳から5歳の子供が瓦礫から雲母をよりわける村もある。手掘りした採掘抗は危険だし、雲母の破片は健康を害する。
市場としても児童労働による雲母の利用を止める動きはあるが、貧しい採掘場から仕事を奪うことはできないと中間業者は語る。給食付きの無料学校を政府が設営する動きも、結局は一家の労働力がどこかで必要になるので、冒頭の親子は採掘によって学校へ通えていると明かされる。
さらにドキュメンタリー終了後には、雲母の消費量は日本が最多という統計情報を番組が提示。他人事ではない社会問題として訴えようとする意思が感じられて良かった。
「おばあちゃんファイトクラブケニアで高齢女性へ無料で護身術を教える活動を紹介。老婆をレイプすればエイズが治るという迷信によって性暴行事件が後をたたないという。ひとつの現場の風景としては悪くなかったが、HIVが蔓延している原因や迷信がはびこる経緯など、もう少し多角的な情報をつたえないとドキュメンタリーとして弱い。
「殺人事件発生直後のアメリカ警察に48時間カメラが特別に密着」は、実際の殺人事件の捜査を撮影した番組で、犯人にたどりつく手がかりが残る48時間以内を重点的に見せていく。今回はふたつの事件を見せて、番組の新コーナーとして定着させたい雰囲気を感じた。紹介された事件は両方とも解決したが、一方では怪しい黒人セールスマンの情報が無関係で実際は白人ふたりが犯人だったりと、手がかりの当てがはずれることもあると素直に見せていたことが逆に良かった。