法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』海だ! 山だ! 自然はキケンがいっぱい2時間SP

改変期らしく今回も2時間SP。雑多な自然番組のさわりを集めたような作りで、見覚えのある場面も少なくなかったが、総集編と思えば悪くない。


「ボンダイビーチのライフセーバーに密着!」は、オーストラリアの浜辺で活躍するライフセーバーに密着取材。砂浜を小型バギーで疾走して急病人を助けたり、警告文が読めずに遊泳禁止区域で高波にさらわれているドイツ人へサーフィンボードで近づいたり。ボランティアが監視員の真似事をしている地域の住人として、いろいろと言葉にならない感情をおぼえた。モンブランの山岳救助隊に密着!」も、ヘリなどで登山者を救助する人々の姿を映しだす。
「塩と生きる人々」は、湖底から泥で固まった塩をとりだし、遠くまで売りに行くエチオピアの親子に密着。村から50kmも移動した湖では、火山由来の塩が存在。そこで働く人々は、濃い塩から体を守るために傷口をビニールで覆って鼻や耳にも詰め物をして、木の棒で湖底をつきくずし、黒々とした塩の塊をとりだす。塩を受け取った親子はラクダに塩を乗せ、非常食のヤギをつれて、街まで移動。途中のひあがった湖では50mも掘りさげて湧き出た水を男たちがバケツリレーで地上まで運び、部族間抗争のため武装した男たちには見逃される。塩商売にからめてエチオピアの多様な側面を見せていくドキュメンタリーとしてよくできていた。セネガルの荒々しい漁師」は、中途半端に近代化されて人海戦術で仕事をする男たちに密着して、その乱暴な仕事の奪いあいを見せて、ドキュメンタリーの見せかたが好対照だった。
「40代ロックバンド、世界最高峰エベレストでライブに挑戦」は、フィンランドアンカラという売れないロックバンドが、スポンサーを集めてギネス記録に挑戦し、名前を売ろうとする計画を見せる。しかし少しうまくいきそうになるたびにメンバーが手続きを忘れて計画が中断し、最終的にチョモランマ*1が近くに見える高地の村でライブ演奏することに。無料だったこともあり近くの登山客が集まってライブは成功するも、それでアルバムが売れたわけでもなく、先述の不手際の責任を問われたりしてメンバーが2人も抜けて、しかも高所でライブ演奏をする先行のギネス記録にも遠くおよんでいなかったというオチ。ボンクラたちのしまらない挑戦の悲哀として、苦いコメディの味わいはあったが、このドキュメンタリーが今週のシメで良かったのだろうか……

*1:現代は外国がつけた名称のエベレストよりも、現地語で表記するべきではないだろうか。